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大学野球

様々な出会いを通じて急成長した剛腕がドラフト1位を狙う 馬場皐輔(仙台大)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

馬場皐輔 ばば・こうすけ
仙台育英→仙台大
投手・右投右打・180センチ88キロ・1995年5月18日生(22歳)


中学時代は身長が170cmにも満たない平凡な右腕だったというが、「強豪でレギュラーを獲って甲子園に出たい」と いう純粋な向上心で、仙台育英に自ら志望して入学。エースとなることはできなかったが、2番手投手として3年時に春 夏連続で甲子園の土を踏み、マウンドにも上がった。そして大学進学は先輩などに話を聞いて「トレーニングを集中して できる環境」と判断した仙台大を選択し、入学した。

入学当時の印象について森本吉謙監督は「粗削りではありますが、ドーンと力のある球を投げていました」と高い素質 を評価する一方で、「足し算になっていないというか、まだ投げているだけという印象もありました」と、投手力の総合力 はさほど高くなかったという。

ただこの仙台大での様々な出会いを通じて、馬場はその課題を克服していった。まずは、2年先輩でDeNAにドラフ ト2位指名された熊原健人だ。プロの世界に羽ばたいた先輩の姿を見て「プロに行きたいという気持ち、向上心がさらに 強くなりました」という。

また、馬場の2年時からコーチに就任した坪井俊樹コーチ(元ロッテ投手)の存在も大きい。坪井コーチは「速い球は 大きな武器ですが、それは1つの手段にすぎません。(MLB最速左腕の)チャプマンだってカーブを織り交ぜて抑える わけですから、ストレートをいかに速く見せるか、同じ球でもタイミング次第でファウルや空振りが取れるということを 伝えてきました」と話す。馬場も「1球の怖さとか試合を作るリズムとか、構えたところに投げるだけが投手の仕事では ないことを指導していただきました」と感謝の言葉を並べた。

そして何より欠かせないのが4年間、仲間であり鎬を削った同期右腕・岩佐政也の存在だ。岩佐について馬場は「緩急 だったり間合いだったりが上手で、打者をどう打ち取るか分かっていました」と、その投球を間近に見たことで「スピー ドをそんなに出さなくても抑えられるかもしれないと思え、それからは脱力して投げることも挑戦しました。押していく 自分(の投球スタイル)に加えて、交わすこともできてくれば、より幅が広がるので」と話す。

高い向上心で周囲の人間から様々なものを吸収してきた馬場は、その集大成として今秋に素晴らしい投球を繰り広げた。 秋季リーグで5勝3完封無敗60奪三振の成績を残し、四死球も37イニングでわずかに5個。最速155km/hに加 え、スプリット、スライダー、カットボールなど多彩な変化球も有効に決まり、ドラフト1位候補にまで評価を上げた。

次なるステージに向けて馬場は「バッターに向かって行くことが武器なので、そこを無くさず勝負していきたいです」 と力強く話し「常にレベルアップして長く野球をプレーしたいです」と続けた。

今後さらなる猛者が集うプロ野球界で多くのものを吸収し、さらなる飛躍を遂げていく姿を楽しみにしたい。

文・写真=高木遊