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プロ野球

2年前の無念胸に、豪腕は不死鳥のごとく 西村 天裕(NTT東日本)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

西村 天裕 にしむら・たかひろ
和歌山商→帝京大→NTT東日本
投手・右投右打・176センチ92キロ・1993年5月6日生(24歳)

 最速154キロのストレート、スライダー、フォークといった縦変化を力強く投げ込むNTT東日本のパワーピッチャー。昨年の日本選手権では初戦のトヨタ自動車戦で7回途中から登板。1回3分の2を投げ、5つのアウトのうち4つを三振で奪い、ノーヒットに抑えた。

 和歌山県和歌山市出身の西村は市立岡崎小時代に軟式・岡崎スマイルズで野球を始め、市立東中では軟式野球部。市立和歌山商では智辯和歌山の壁に阻まれ、甲子園出場はならなかったものの、帝京大では150キロを超えるストレートと切れ味鋭いスライダーを駆使し、青柳晃洋(阪神)と共にダブルエースを形成。3年春は首都大学リーグベストナイン、同年秋は東海大のリーグ連勝記録を33でストップさせた快挙含め7勝を挙げて最優秀投手を受賞と、大きく自らの株を上げている。

 NTT東日本では主に救援を投手として1年目秋から活躍。今季は5月の都市対抗・東京都第一代表決定戦のJR東日本戦で、同点の4回からロングリリーフ。6イニングを3安打無失点で、本大会出場権獲得の立役者に。その後不振に陥り強いボールを投げることに専念した都市対抗では、1回戦の三菱重工神戸・高砂戦と準々決勝の新日鐵住金東海REX戦の2試合で1回を投げ切れず共に3失点を喫した一方、150キロ超えのストレートを連発。チームは都市対抗を制した一方で、悔しい想いを抱えつつも復調のきっかけはつかんだ。

 2015年はドラフト直前の首都大学秋季リーグ戦において左膝前十字じん帯を損傷し全治6ヶ月、目前で指名を逃した西村。あれから2年。背筋力も200キロを超えた豪腕は、不死鳥のごとく2度目のドラフトに臨む。