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プロ野球

高卒5年目の苦労人、充実期でのプロ入りへ 奥村 政稔(三菱日立パワーシステムズ)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

奥村 政稔 おくむら・まさと
三菱日立パワーシステムズ
投手・右投右打・176センチ80キロ・1992年8月14日生(25歳)

 最速154キロ・常時140キロ後半を計測するストレートにスライダー、カットボール、フォークといった変化球を織り交ぜ、力で押すピッチングを信条としている右腕。投球スタイルは「気持ちが乗ったボールなら、多少、甘く入っても相手打者が打ち損じてくれる」と気持ちを前面に出して戦うタイプである。

 奥村は大分県中津市出身。市立鶴居小3年の時、軟式・鶴居少年野球クラブで野球を始め、市立緑ヶ丘中でも軟式野球部。中津商高(現:中津東高)に入りると、140キロを超えるストレートを武器に2年秋大分県大会・由布戦では8回参考ながら18奪三振でのノーヒットノーランを達成。中津商としても最後の夏となった3年夏は初戦敗退に終わったが選手10人を率いる最速147キロ右腕は大きな話題となった。

 しかし、九州国際大では2年春からチームの主軸を担うも2年までで大学も中退。一時は野球継続も危ぶまれる状況に陥った。そんな奥村に手を差し伸べたのが三菱重工長崎である。

2013年に入社すると1年目から公式戦に起用され、3年目の2015年にはJABA岡山大会で自己最速154キロをマーク。都市対抗にも自身初出場し、1回戦のヤマハ戦に先発すると6回を3失点にまとめ、チームは0対3で敗れた中でも存在感を示した。

 今年は1月、所属チームが統合され、三菱日立パワーシステムズの一員として長崎県から神奈川県に異動。恩を受けた長崎への感謝の想いを抱きつつ、4月のJABA日立市長杯では大会敢闘賞を受賞。迎えた都市対抗では1回戦・日本生命戦でリリーフし、全国大会登板5試合目で初勝利を飾ると、準々決勝・JR西日本戦では先発5回3失点でチームの4強進出に貢献している。

 かくして苦労の道程を経て25歳にして充実期を迎えた奥村。WBC・侍ジャパントップチーム代表の千賀滉大(福岡ソフトバンク)、山田哲人(東京ヤクルト)ら同年代の活躍に刺激を受けながら、次の輪に加わる準備は、もうできている。