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【THE INSIDE】「第90回記念選抜高校野球大会」は出場校枠が増えるも、参加校最多の関東・東京勢は恩恵なし


来春のセンバツ高校野球は第90回の記念大会ということで、例年の32校代表から出場校枠が4校増えることがすでに発表されている。その内訳は次のようになっている。

一般選考の出場校数は地区別にみていくと北海道1、東北3、関東・東京6、東海3、北信越3、近畿6、中国3、四国3、九州4。昨年から変わった点は、東北が1枠増と、中国四国地区で5枠だったものが、中国と四国それぞれに3枠ずつとなり合計で1枠増の6枠。

また、北信越と東海にそれぞれ1枠増えて3校ずつとなった。これは記念大会という措置もあるが、東北地区と北信越地区は従来県数の割には代表校数が少なかったということの調整と、近年の躍進ぶりも評価されたとみていいだろう。

センバツ前回大会のスタンド
また、東海地区は4県で3代表ということになるが、愛知県が188、静岡県が112、岐阜県68、三重県63というこの夏の大会参加チーム数を見れば431チームということで、143校に1つということを考えれば十分に頷ける。東海地区のこの数字は、東北地区6県(青森63、岩手68、秋田47、山形49、宮城69、福島78)で374。また、北信越地区5県は(新潟84、長野85、富山47、石川49、福井30)の295よりも厳しいということになる。北信越地区は2015年に敦賀気比が優勝するなど、近年著しく躍進してきているということもあろう。

これに対して、中国地区と四国地区が、それぞれ3校枠となったのは、どちらの地区もややラッキーという印象は否めない。中国地区は広島県が90だが、あとは岡山59、鳥取25、島根39、山口60で合計でも273。四国に至っては、4県で157(香川38、徳島31、愛媛60、高知28)だから、4県足しても愛知県よりも参加チーム数が少ないということになる。そこからの3校選出だから、ラッキーと言えばラッキーかなということになってしまう。

逆に、あおりを受けた感じになったのが関東・東京地区である。関東地区4、東京都1で6校目は関東地区の5番目と東京都の2番目のチームの戦力等の比較により選出ということになっているのだが、これは前年までと変わらない。例年のことではあるが、この6番目の椅子が最も難航する材料でもある。いずれにしても、直接対戦しているわけではないので、データと印象からだけの比較検討というとことにもなり、曖昧さがあるのも否めない。

そうしたことも踏まえて、数字だけを見てみると、関東地区は神奈川189を筆頭に千葉168、埼玉156。さらには茨城98、群馬65、栃木61で、最も少ない山梨36で、合計773ということになる。また、東京都は今年の夏は東東京134、西東京128の262チームが参加。この秋も、3年生の引退でチームが組めなくなり、新たに合同チームに加わったところなどもあってチーム数は減少したものの、それでも249チームが一次ブロック予選に参加している。

試合ごとにチームが成長していく秋季大会
そこからの1校選出ということになれば、他地区に比べて不公平感は否めない。また、近年の実績という点から見ても、過去5年間の春夏の実績ということで言えば、関東勢は優勝が春1回、夏は今年の花咲徳栄まで3年連続で4度優勝している。また、ベスト4ということで言えば、東京勢はこの夏の東海大菅生を含めて3年間で3校が進出している。

こうして数字だけで見ていくと、今回の記念大会枠が関東・東京地区に回ってこなかったことは、やや気の毒なような気がしてならないと思えるのは、私だけだろうか。また、特別枠は例年通りで21世紀枠が3校、明治神宮枠として優勝校輩出地区に対して1校増ということは変わらない。

前提として、センバツは招待大会でもあるということがある。そうした意味合いの中で、その特徴的なものとしての21世紀枠代表がある。ただ、もうひとつのセンバツの選考の特徴ともいえる地域性との兼ね合いを見た場合に、選出そのものはなかなか難航しそうである。

夏の選手権大会のように、ノックアウト方式のトーナメント大会で「負けたら終わり」という形での代表選出ではないだけに、誰もがすべて納得のいく選出方法というのはないのかもしれない。しかし、東京勢と中国・四国勢の単純な数的比較をしてみた場合、いささか関東勢が不利と考えてしまったファンや関係者は少なくなかったのではないだろうかとも感じている。

クロスプレー
センバツ甲子園を目指す戦い
まだ、チームが浅いだけに秋季大会は試合ごとに成長していく
三塁ベースへ猛然と頭から滑り込む
試合前に、入念にアップする東大和の選手たち
秋季大会の熱戦
前回のセンバツ大会スタンド
第89回センバツ大会から
東京都の秋季大会は各校グラウンドでの一次フロック予選から始まる
溌溂と試合前のノックをこなす選手たち
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