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パ・リーグGG賞の受賞者一覧 2016年は全球団から選出、各選手の特徴は?


11月8日、2016年度の三井ゴールデン・グラブ賞の受賞者が発表された。今年はパ・リーグのどの選手が選出されたのか。2016年度の三井ゴールデン・グラブ賞の受賞者全員をここで改めて詳しくご紹介したい。

■日ハム3人、SB三遊間、「超人」も…パの2016年度GG受賞者を改めて紹介

 11月8日、2016年度の三井ゴールデン・グラブ賞の受賞者が発表された。1972年にダイヤモンドグラブ賞としてスタートしたこの賞は、プロ野球を担当する記者がポジションごとに最も守備力が高いと評価した選手を投票で選出。歴代受賞者はいずれも「守備の名手」と呼ばれるような名だたる選手が受賞しており、今年度の受賞選手にも注目が集まった。

 今年はパ・リーグのどの選手が選出されたのか。2016年度の三井ゴールデン・グラブ賞の受賞者全員をここで改めて詳しくご紹介したい。

【投手】
◯涌井秀章(千葉ロッテ)2年連続4度目

 投手部門で権威ある受賞を果たしたのは千葉ロッテ・涌井投手。素早い動きで走者を釘付けにするけん制に加え、フィールディングのうまさも武器の一つ。「守備に関して重点的に意識して、心がけている」と話し、受賞を喜んだ。「この先、引退まで獲得し続けられるように頑張ります」と来季以降の守備での活躍を誓った。

【捕手】
◯大野奨太(北海道日本ハム)初受賞

 捕手としてはリーグトップの刺殺数714が示しているように、シーズン通して本塁を守り抜いた。選手会長、主将としてチームを牽引。盗塁阻止率は.310を記録し、今季の盗塁王に輝いた糸井、金子侑の脚力を封じる場面はファンを大いに沸かせた。また、堅実なプレーで投手陣の信頼を獲得し、チームを10年ぶりの日本一に導いたことも評価され、自身としてもうれしいタイトル初受賞となった。

【次ページ】ソフトバンクは三遊間コンビが4年連続受賞

■ソフトバンクは三遊間コンビが4年連続受賞

【一塁手】
◯中田翔(北海道日本ハム)2年連続2度目

 刺殺、捕殺、併殺完成数でいずれもリーグトップ(一塁手として)。中でも印象的だったのは8月14日の楽天戦。9回裏、無死2塁の場面で相手選手がバントを敢行すると、中田が猛チャージで打球を処理して三塁へ送球。これをアウトにする好守がきっかけでこの日は1点のリードを守り抜き、非常に価値のある1勝を挙げた。豪快な打撃に目がいきがちだが、気迫溢れる守備でチームを引っ張っていく姿に来季も注目したい。

【二塁手】
◯藤田一也(楽天)2年ぶり3度目

 守備率.993、失策4は二塁手としてリーグトップ。これぞ職人という守備でチームを何度も救ってきた。「今年からKoboスタ宮城が天然芝に変わり、自分のプレースタイルを変え、怪我もあった中での受賞なので、大変うれしく思います」と受賞を喜んだ藤田。来季もあっと驚くような鮮やかな守備でファンを魅了してほしい。

【三塁手】
◯松田宣浩(福岡ソフトバンク)4年連続5度目

 今季全試合に出場。完成させた併殺は27を記録し、自慢の強肩でチームを何度も救ってきた。「僕の守備は、速い球を体で止める”熱男魂”スタイル」と語るように守備でも「熱男」だった松田。クライマックスシリーズのファイナルステージ第5戦では自身のプレーに吠える熱い場面もみられた。来季も打撃だけでなく守備でもチームに勢いをつける活躍が見たい。

【遊撃手】
◯今宮健太(福岡ソフトバンク)4年連続4度目

 名手がそろう遊撃手で選ばれたのは4年連続4度目となる今宮だった。守備率.982と失策数はどちらもリーグトップ。小柄ながらも、広い守備範囲と送球の強さは群を抜く。今季も三遊間の深い位置からの大遠投や、難しい打球を難なくおさえる堅守でチームに流れを呼び込む場面が多くみられた。まだまだ成長の余地を十分に残しており、無限大の守備範囲に来季も注目だ。

【次ページ】衰え知らずの「超人」は受賞者の中で両リーグ最多7度目

■衰え知らずの「超人」は受賞者の中で両リーグ最多7度目

【外野手】
◯秋山翔吾(埼玉西武)2年連続3度目

 外野手としては唯一、今季の全試合に出場。守備率は驚異の1.000を記録し、特にフェンス際での守備のうまさを今年も存分に発揮した。刺殺、捕殺、失策0はいずれもリーグトップ。「来季も引き続き守備でチームを救えるようにがんばります」とコメントした秋山の守備から来季も目が離せない。

◯陽岱鋼(北海道日本ハム)2年ぶり4度目

 今年の陽といえば、何といっても9月21日の福岡ソフトバンク戦で見せた2つのスーパーキャッチだろう。福岡ソフトバンクとゲーム差無しで迎えたこの試合、7回と最終回の大事な場面でチームを救うスーパープレー。陽だからこそ生まれたプレーであり、これが優勝へのターニングポイントとなったと言っても過言ではない。大一番でチームの流れを変える守備を披露するなど、今年も堅実かつファンを驚かせるような守備で2年ぶりの三井ゴールデン・グラブ賞を獲得した。

◯糸井嘉男(オリックス)2年ぶり7度目

 今回の受賞者の中で両リーグ最多の7度目の受賞となった糸井。走・攻・守の三拍子がそろい、プロ野球史上最年長で盗塁王のタイトルを獲得した「超人」は、今季も多くの美技でチームを救い、三井ゴールデン・グラブ賞のタイトルをも手にしてみせた。36歳となる来季も、衰え知らずの「超人」の想像を上回る活躍に期待したい。

 今年の三井ゴールデン・グラブ賞は、初受賞者1人を含むパ・リーグの全球団に獲得者が生まれる結果となった。今季も多くの好守でチームを救う選手たちの気迫溢れるプレーにファンも大いに盛り上がった。来季はどのようなプレーが生まれ、どの選手がタイトルを獲得するのか。たくさんのスーパープレーをこの目で見たい。

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

「パ・リーグ インサイト」編集部●文

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