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陽岱鋼がFA宣言&移籍へ なぜ日本ハム主力はFA移籍するのか


他球団への移籍を前提としてFA宣言した日本ハム・陽岱鋼外野手。栗山英樹監督から4番・中田翔と共に「チームの主役」と信頼を受け、10年ぶりの日本一に大きく貢献した。そんなチームの看板選手が、なぜ“放出”となる可能性が浮上したのか――。

■陽岱鋼がFA宣言、なぜ日ハム“看板選手”にFA移籍が浮上したのか

 他球団への移籍を前提としてFA宣言した日本ハム・陽岱鋼外野手。球団側とは日本一翌日の10月30日、そしてFA宣言を表明した7日と2度交渉したが、大型契約などで引き留められることはなかったようだ。

 陽は2005年ドラフト1巡目で日本ハム入り。11年に外野の定位置をつかみ、12、13年と全試合出場。12年から3年連続でゴールデングラブ賞に輝き、13年には47盗塁でリーグ盗塁王を獲得した。今季は130試合出場、打率.293、14本塁打、61打点。栗山英樹監督から4番・中田翔と共に「チームの主役」と信頼を受け、10年ぶりの日本一に大きく貢献した。

 そんなチームの看板選手が、なぜ“放出”となる可能性が浮上したのか――。

 背景には日本ハムの徹底したチーム方針がある。北海道移転以降、球団強化の2本柱にはスカウティングと育成が掲げられている。ドラフトでは高卒選手を中心に獲得。その選手たちを2軍で早いサイクルで育てあげており、今季の開幕スタメンには投手を含めて高卒の生え抜き選手が8人並んだ。これは12球団最多だ。

■14年オフには小谷野、大引がFA移籍

 チームの外野手には岡大海、谷口雄也、浅間大基、そして巨人からトレード加入した大田泰示ら有望株が多数いる。絶対的センターの陽岱鋼が他球団へ移籍することで、チーム内の競争を活性化させる狙いがあるとみられる。

 さらに、今季10年ぶりに日本一を達成。その立役者となった大谷翔平、中田翔、西川遥輝ら主力選手の年俸アップが想定される。16年の年俸総額は27億1020万円で12球団中8位だった日本ハムは資金力豊富な球団とは違い、限られた資金内でチーム運営をしている。それだけに、球団は来年1月で30歳となり、今季年俸1億6000万円と高額だった中堅外野手へ思い切った条件の上積みをするよりも、まだ若く年俸の安い外野手たちの成長にかけたのだろう。

 14年オフには正三塁手・小谷野栄一、正遊撃手・大引啓次がFA移籍したが、15年シーズンは新外国人のレアードが三塁で、遊撃には中島卓也が定着。今季の日本一へ欠かせない戦力となった。

 連続日本一の期待がかかる2017年。不動の中堅手だった陽岱鋼の移籍が正式に決まった場合、そのショックをどうプラスへ転化していくか注目だ。(※金額は推定)

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