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プロ野球

「世界」を震撼させたチェンジアップを武器に 田浦 文丸(秀岳館高)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

田浦 文丸 たうら・ふみまる
秀岳館高
投手・左投左打・170センチ75キロ・1999年9月21日生(18歳)

170センチの小さな身体から腕を思い切り振る左腕。ゆえに相手打者にとっては140キロ中盤のストレートと120キロ後半のチェンジアップ、スライダーとの判別は困難を極め、これが三振奪取率の高さにつながっている。

福岡県大野城市出身の田丸は市立平野中では糸島ボーイズに所属し、2年時には全日本中学野球選手権大会「ジャイアンツカップ」準優勝。この時に枚方ボーイズの選手たちから衝撃を受けたことが、彼らの多くが進学した秀岳館高を志す大きな動機となった。

 熊本・秀岳館では同級生の川端健斗らと継投策の一翼を担い2年春から4季連続で甲子園に出場。今春センバツまでの3季連続4強入りに貢献した。そして今春センバツ準決勝では優勝した大阪桐蔭を相手に先発8回途中2失点と好投し、夏は1回戦・横浜戦でリリーフ登板し3回零封した精神的・肉体的タフさは、直後選出された侍ジャパンU-18代表で開花を迎える。

 カナダ・サンターベイで行われた「WBSC U-18ワールドカップ」。オープニングラウンド2戦目のアメリカ戦、4点ビハインドの6回表二死一・二塁で先発・川端をリリーフした田浦は2回3分1を1安打無失点。奪った7つのアウトの内5つが三振。その後もキレのあるチェンジアップをウイニングショットにリリーフで登板した5試合・12回3分の1で1点も許さず計27奪三振。今大会初めて先発を任された準決勝の韓国戦では1回3分の2で5失点(自責点2)と崩れたものの、大会は防御率1.32。出場選手中最多となる29奪三振。救援投手部門で堂々大会ベストナインに選ばれた。

外国人選手との対峙も必要とされるプロの舞台でも、「世界」を震撼させたチェンジアップは大きな武器となるはず。大舞台での強さとマウンド度胸の良さに「ワールドクラス」を携えて。田浦文丸はオンリーワンの左腕となるための入り口に立つ。