今季初完封で自身初の１０勝目を挙げ、一塁手中川（右）からウイニングボールを受け取る楽天・美馬。左は捕手嶋＝Ｋｏｂｏパーク宮城【写真提供:共同通信社】

東北楽天の美馬が31歳の誕生日を迎えた19日の北海道日本ハム戦（Koboパーク宮城）で9回3安打無四球での完封勝利。自身初の2ケタ勝利を達成した。

　「ここ最近、いいピッチングができてなかったので、最初から全力で抑えに行く気持ちで投げました。常に丁寧に投げることを意識した」と美馬。初回3者凡退の滑り出しから、伸びのあるストレートにフォーク、カーブなどの変化球を低めに集めて凡打の山を築き、8回まで2安打のみ。「最高の誕生日プレゼントでした」と頭を下げたアマダーの一発など、味方打線に6点の援護をもらうと、9回は「なかなかチャンスがないので行かしてもらいました」と志願の続投。1死から西川にヒットを許したが、続く松本をサードゴロ併殺打に仕留めてゲームセット。計127球で9回を一人で投げ切った。

　試合後のヒーローインタビューでは、開口一番「いやあ、なんか、やっとって感じです」と苦笑い。8月5日に今季9勝目を挙げてから4試合勝ち星なし（0勝3敗）で約1カ月半。昨季も9勝止まりだった右腕は、「去年も壁を感じましたけど、今日やっとその壁を破れてうれしい」と笑み。誕生日、自身初の2ケタ、今季初完封と多くの形容詞が付く勝利に「いろんなものがまとめて今日1人にきた」と喜んだ。

　これでチームは3連勝で2位・埼玉西武とも2ゲーム差。「（美馬は）春先の良い時に戻った」と梨田監督。残り17試合、そしてCSと続く戦いの中で、壁を打ち破ったプロ7年目右腕のピッチングに期待だ。