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イチロー所属のマ軍、外野陣は注釈付きで“WS王者級” 米メディア分析


来季もマーリンズでプレーすることになったイチロー外野手。球団側が早々とオプションの行使に踏み切り、年俸200万ドル(約2億600万円)で契約を1年更新。さらに2018年の契約オプションも追加された。これにより43歳のベテランは来季もマーリンズの「4番手の外野手」の役割を担うことが濃厚となっている。

■米メディアが王者カブスとマーリンズを比較

 来季もマーリンズでプレーすることになったイチロー外野手。球団側が早々とオプションの行使に踏み切り、年俸200万ドル(約2億600万円)で契約を1年更新。さらに2018年の契約オプションも追加された。これにより43歳のベテランは来季もマーリンズの「4番手の外野手」の役割を担うことが濃厚となっている。そんな中、地元メディアはイチローを含む外野手の陣容について“ワールドシリーズ級”と高く評価している。米野球専門メディア「ナックルボール」が特集している。

 今季は後半戦の失速でプレーオフ進出を逃したマーリンズ。79勝82敗の勝率.491でナ・リーグ東地区3位に終わり、1位ナショナルズとは最終的に15.5ゲーム差をつけられた。ワイルドカード争いでもプレーオフ出場圏のメッツ、ジャイアンツに7.5ゲーム差と離されてる。

 そのプレーオフで快進撃を見せ、頂点に立ったのはカブス。レギュラーシーズンを103勝58敗、勝率.640と圧倒的な強さで勝ち上がると、その勢いは止まらず、ワールドシリーズではインディアンスを撃破。「ヤギの呪い」を解き、108年ぶりの世界一を成し遂げた。

 今回の特集ではそんな王者カブスとマーリンズの各ポジションを戦力を比較し、それぞれ優劣をつけている。

■「マーリンズはリーグで最高の外野陣」

 内野手部門で、マーリンズがカブスにどうにか対抗できるかもしれないと分析されているのは捕手。マーリンズのリアルミュートは今季打率.303、11本塁打、48打点とバットでも貢献度が高かった。ただ記事では選手層を含めるとカブスが上と分析。また、ゴードンとエチャバリアのマーリンズ二遊間は守備面を評価しつつ、打撃面について「ゾブリストとラッセルの今季の打席と比べると以前、パンチ力が足りない」と評している。

 一方、一塁と三塁は「比較にならない」と、カブス圧勝の評価。カブスは打率.292、32本塁打、109打点のリゾが一塁、打率.292、39本塁打、102打点のブライアントが三塁に君臨。マーリンズの三塁は打率.305、8本塁打、75打点と勝負強い打撃を見せたプラドが務めたが、それでも“比較対象外”と一蹴されている。

 先発投手に関しても「カブスとマーリンズのローテーションを比較しようとして時間を無駄にするのはやめよう」と、故障者などもあって崩れたマーリンズ先発陣を一刀両断している。

 そんな中で王者カブスに匹敵するとされているのが救援と外野陣。特に外野手については「マーリンズがワールドチャンピオンと同じぐらい優秀か、議論できるのはこの領域だろう。クリスチャン・イエリッチ、マルセロ・オズナ、ジャンカルロ・スタントンは健康なら誰よりも優秀だ。イチロー・スズキも控えており、マーリンズはリーグで最高の外野陣を擁している。健康な時は、だが」と“注釈付き”で高く評価している。

■「最も差を埋めなければいけない」のは先発陣

 今季イエリッチは打率.298、21本塁打、98打点と活躍。オズナも打率.266、23本塁打、76打点をマーク。一方、主砲スタントンは負傷や不振に苦しみながらも打率.240、27本塁打、74打点の成績を収めた。イチローも今季3000安打の金字塔を打ち立てるなど、打率.291、1本塁打、22打点、10盗塁と限られた出番の中で存在感を放った。そんな外野陣はシーズンを通してコンディションを保てれば、カブスに匹敵する陣容だと評されている。

 また、記事ではカブスの名将マドン監督と比肩する者なしとしながらも、マーリンズのマッティングリー監督について「チームを一丸にまとめたことは印象的」と評価。一方で総評では来季もまだまだカブスに及ばないとしている。特に「マーリンズが最も差を埋めなければいけない部分」として先発陣を挙げている。

 エース右腕ホセ・フェルナンデス投手を失ったことでさらに厳しい状況に追い込まれているマーリンズ。来季こそ悲願のプレーオフ進出なるか。まずは今オフの補強の動向が注目される。

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