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侍ジャパン

延長タイブレークの末、韓国に劇的勝利!(侍ジャパンU23代表)

韓国戦 8回1失点12奪三振の好投を見せた本田(埼玉西武)

韓国戦 8回1失点12奪三振の好投を見せた本田(埼玉西武)

写真提供=Getty Images

第1回WBSC U-23ベースボールワールドカップ、スーパーラウンド・韓国戦がエスタディオ・デ・ベイスボル・モンテレイ球場で行われ、侍ジャパンU-23代表が延長10回、2-1でサヨナラ勝ち越しを収め無傷の6連勝を飾った。

スーパーラウンド初戦の先発マウンドを任されたのは今大会の開幕投手を務めた本田圭佑(西武)。ニカラグア戦同様、低めに集める投球が冴え立ち上がりに3つの三振を奪う。2回に二死から招いた満塁のピンチも後続を断ち無失点、簡単に先制点は与えない。その後もストレートとカーブのコンビネーションが光り韓国打線を翻弄する。しかし打線も韓国の先発左腕・イムジソプの前に沈黙。初回に武田健吾(オリックス)が内野安打を放って以降、Hランプを灯すことが出来ない。

4回まで両チーム共に無得点。投手戦の続く5回、2イニング続けて三者凡退に抑えていた本田が先頭打者に被弾し先制を許してしまう。嫌なムードが漂う7回、イムジソプが2打席連続で四球を与えるなど唯一投げにくそうにしていた真砂勇介(ソフトバンク)がこの打席でも3ボール1ストライクと打者有利のカウントを作ると、真ん中に甘く入って来たストレートを逃さず左翼席へ特大の一発を放つ。本田の好投に応え、ひと振りで試合を振り出しに戻した。本田は、7回までの予定を「接戦だったので長くいきたいという本能的なものが出た。」と自ら続投を申し出て、8回127球を投げて4安打、失点1、12奪三振の力投を見せマウンドを降りた。

その裏には「毎日試合に出られないのが悔しいので、出たときは死ぬ気でやっている。」と語る今大会のムードメーカー的存在の先頭の吉持亮汰(楽天)の二塁打と武田の送りバントで一死三塁と絶好の勝ち越し機を作り、続く植田海(阪神)の浅めのセンターフライで俊足・吉持はスタートを切ったがセンターからの好返球に阻まれタッチアウト。9回にも二死一、二塁から廣岡大志(ヤクルト)が放った大飛球はレフトフライとなり、試合は1-1のまま延長戦へ突入する。

大会規定により無死一、二塁のタイブレーク方式から始まる10回、マウンドに上がったのは歳内宏明(阪神)。「相手がどこでも、一人一人が自分の役割をすれば、勝利につなげる事ができる。技術も大事ですが、メンタルの部分がもっと大事」と語るようにプロでは慣れないタイブレーク方式でも堂々のマウンドさばきを見せ、まずはバント失敗で一死を奪うと、次打者を注文通りの併殺打に打ち取り得点を許さず最高の形で攻撃につなぐ。すると打線はその裏、無死一、二塁から植田のバントが野手選択を誘い無死満塁とし、バッターは乙坂智(DeNA)。「優勝するに向けてこういう試合を経験できたのは良かった。」と振り返ったように、振りぬいた打球は、飛距離十分のフライ。センター後方まで運んだ打球に今度は吉持が余裕を持ってサヨナラのホームに生還。3安打と苦しみながらも劇的な勝利で1点差試合を制した。

サヨナラ打となる飛球をセンターに放った乙坂(横浜DeNA)

サヨナラ打となる飛球をセンターに放った乙坂(横浜DeNA)

写真提供=Getty Images

斎藤監督も試合後「チームは乗りに乗っているので、この調子を継続していきたい。」といよいよ全勝優勝を視界にとらえた様子。
アジアのライバルを延長戦の末下した侍ジャパンU-23代表、次戦はオープニングラウンド・グループAを全勝で通過したパナマとの一戦。先発マウンドには、斎藤監督がエースに指名した安樂が上がる予定。決勝進出へ向けて大事な一戦になる