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V逸のホークスは「扇の要」放出 ドラ1右腕はプロ1勝で戦力外に


最大11.5ゲーム差をつけていた日本ハムに大逆転を許し、3連覇を逃したソフトバンク。来季に向けたこのオフは支配下6選手に戦力外通告を行った。今季限りで退団が決まった主な選手の実績を振り返ってみる。

■V奪還目指すホークスは細川が来季構想外に

 最大11.5ゲーム差をつけていた日本ハムに大逆転を許し、3連覇を逃したソフトバンク。来季に向けたこのオフは支配下6選手に戦力外通告を行った。衝撃的だったのは、終盤戦に扇の要として出場していた細川亨捕手の退団。戦力構想から外れ、バッテリーコーチ就任を打診されたが、現役続行を希望。退団し、他球団移籍の道を選んだ。

 育成契約から昨オフに支配下登録されていた坂田将人投手は今季、左肩痛に悩まされ、9月には左肩上腕二頭筋腱の手術を受けた。復帰まで4か月を要する見込みとなっており、育成選手として再契約する可能性が高い。育成選手では金子将太外野手、李杜軒内野手を自由契約にし、河野大樹内野手は自ら退団を申し入れた。

 外国人では、エディソン・バリオス投手、バーバロ・カニザレス内野手の外国人選手2人をウエーバー公示して退団が決定。V奪還を目指す来季に向け、編成作業を着々と進めている。

 今季限りで退団が決まった主な選手の実績を振り返ってみる。

○細川亨(退団)

プロ15年目。1374試合に出場。3325打数676安打、83本塁打。今季は出遅れながらも、49試合に出場した。02年に自由獲得枠で青森大から西武に入団。FA権を行使し、11年からソフトバンクでプレー。特にリード面で評価が高く、08、11年にベストナインとゴールデングラブ賞を獲得している。

■CSベンチ入りの金子圭が戦力外、2軍で活躍の猪本も1軍で輝けず

○柳瀬明宏(戦力外)

プロ11年目。216試合に登板し、11勝6敗8セーブ52ホールド。06年にドラフト6巡目でソフトバンクに入団。主に中継ぎとして、切れ味鋭いフォークを武器に07年に44試合に投げ、13、14年も40試合以上に登板。今季は2試合止まり。ウエスタン・リーグでは32試合0勝2敗2セーブ、防御率4.80だった。

○巽真悟(戦力外)

プロ8年目。通算24試合に出場し1勝4敗、防御率7.50。09年に近大からドラフト1位で入団。プロ1年目から1軍デビューし、10年には開幕ローテ入りを果たした右腕も、その後は伸び悩み。15年にようやくプロ初勝利を挙げたが、今季は1軍登板なし。ウエスタン・リーグでは38試合で4勝1敗、防御率2.72の成績をマークしている。

○金子圭輔(戦力外)

プロ13年目。通算253試合、213打数42安打、打率.197。04年に志学館高からドラフト6位でソフトバンクへ。10年途中にオリックスへトレードとなるが、12年1月、再びトレードでソフトバンクに復帰。内野ならどこでも高いレベルでこなせる守備力があり、今季も貴重なバックアップとしてCSでもベンチメンバーに入っていた。

○猪本健太郎(戦力外)

プロ8年目。通算8試合出場、11打数1安打。08年に育成ドラフト4位で入団し、ウエスタン・リーグで14本塁打を記録した13年のオフに支配下登録。14年同リーグで17本塁打を放って本塁打王獲得。15年は16本塁打、16年も11本塁打を放ったが、1軍では結果を残せなかった。高倉健のファンで昨季まで「唐獅子牡丹」、今季は「男なら」に設定していた登場曲も話題となっていた。

■昨季日本タイ記録の助っ人右腕も退団

○エディソン・バリオス(戦力外)

NPB6年目の28歳右腕。46試合に登板し、2勝5敗1セーブ23ホールド、防御率4.43。関西独立リーグの神戸から11年7月に加入。12年から育成契約となり、13年途中に再び支配下へ。15年にまたしても育成契約となるが、開幕直前に支配下に再々登録。05年の阪神・藤川球児が持つ17試合連続ホールドの日本記録に並ぶ活躍を見せたが、今季はスアレスの加入により、出番が激減した。

○バーバロ・カニザレス(戦力外)

NPB3年目。38試合85打数22安打1本塁打、打率.259。メキシカンリーグから14年にソフトバンクに加入。3年間、李大浩やサファテらとの外国人枠の争いで遅れを取り、ファーム生活がほとんど。だが、ウエスタン・リーグで昨季の18本塁打、今季の14本塁打はいずれもリーグトップだった。

 細川は他球団への移籍を模索。巽や金子圭らも現役続行を希望しており、トライアウトを受ける方向。バリオス、カニザレスも他球団からのオファーを待っている。一方で、ソフトバンクは森福允彦投手、本多雄一内野手などFA権を持つ主力の動向が流動的。新外国人の野手の補強にも動いている。

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