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大体大が関西地区大学選手権・第二代表決定戦を制し、4年ぶり5回目の明治神宮大会出場!

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 上位2チームに明治神宮大会(11日開幕)の出場権が与えられる関西地区大学野球選手権。準優勝チームを決める第二代表決定戦が1日、大阪市南港中央野球場にておこなわれた。
 「残り1枚の神宮キップ」をかけた戦いは、楽天の4位指名を受けた最速151キロ右腕・菅原秀(4年・福井工大福井)の投打にわたる活躍などで試合の主導権を握り続けた大体大(阪神大学)が奈良学園大(近畿学生)を7-2で下し、4年ぶり5度目の出場を決めた。

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 初回に3番・青木聡汰(3年・橿原学院)の中前タイムリーで先制した大体大は、5回にも、堅田啓太郎(3年・秀岳館)が二遊間を破る2点タイムリーを放ち、3点のリードを奪う。8回に菅原の左前タイムリーで4点目を奪うと、最終回にも木原駿太(4年・三重海星)、大石智己(3年・大体大浪商)、出雲亮冴(1年・尽誠学園)の3連打などで3得点。終始、試合を優勢に進めた。
 奈良学園大は8回に宮本丈(3年・履正社)、高橋拓也(3年・明徳義塾)、村上海斗(3年・北照)の3連打で2点を返すのが精一杯。制球が不安定だった立ち上がりの菅原を攻めきれず、初回の無死満塁の絶好機を逃した攻撃が悔やまれた。

攻撃に勢いを生み出す、大体大の大胆な仕掛けと積極的な走塁は強く印象に残った。戦術面ではバスターエンドランやスチールを多用し、結果が裏目に出てもひるむことなく、再び仕掛ける。チーム全体で常に前の塁を狙う姿勢と全力疾走の徹底が奈良学園大守備陣にプレッシャーをかけ続けていた点も見逃せない。
「それがうちの野球。チーム全体の意思統一はできています」と語った堅田主将に神宮への意気込みを聞いた。「この1年、なにがなんでも神宮にいくという気持ちでやってきた。目標が叶ってホッとしています。4回生とやる野球も最後。上位進出を果たせるよう、チーム一丸となって神宮に乗り込みたいと思います」

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 胴上げ投手となった菅原はこの日、9回を7安打2失点。球威満点のストレートを軸に、ナックルカーブと4種類のスライダーを織り交ぜ、13個の三振を奈良学園大打線から奪った。
「2日前の関大戦で完投した疲れが残っていたので体はきつかった。ピンチの時だけギアを上げて三振を狙いに行きました。ドラフト後、挨拶に来られたスカウトの方から『プロ入りが決まるとどこか気持ちが緩んでしまって結果が悪くなるピッチャーが多い』と聞いたんです。『菅原も気緩んで悪くなったな』と言われたくないので、とにかく気合入りました。神宮大会でも次のステージにつながる、楽天さんにアピールできるようなピッチングをしたいです」
 神宮大会の先にやってくるプロ野球選手としての日々が「待ち遠しくて仕方がない」と語った菅原。
「野球漬けになれる素晴らしい環境で厳しい練習が毎日できる。今からものすごく楽しみです」
 OBの上原浩治(現レッドソックス)が卒業して以来、長らく欠番となっていた大体大の背番号19。唯一つけることを許された男の大学最後となる雄姿に要注目だ。

文・写真:服部健太郎