11月1日、明治神宮大会の関東地区代表を決める横浜市長杯争奪第12回関東地区大学野球選手権大会の2日目が横浜スタジアムで行われた。
　先日のドラフト会議で指名された4選手が出場したが、それぞれ結果を残せずに敗れた。

★浜口、まさかの初回5失点で降板

共栄大　　500100002=8
神奈川大　001000000=1
【共】清水——周藤
【神】浜口、佐々木、兒玉、重田——長谷川

　DeNAにドラフト1位指名された左腕・浜口遥大投手（4年・三養基）が、来年からの本拠地となる横浜スタジアムの先発マウンドに上がった。しかし、いきなり連続四球を与えると、犠打で１死を取るも、その後3連打、押し出し四球とまったく持ち味を出せないまま、1死しか奪えずに降板。
　これで勢いに乗った共栄大は、その後も得点を加え、投げてはエース右腕の清水蓮投手（1年・樹徳）が多彩な変化球を織り交ぜ、神奈川大打線を6安打１失点に抑えて、完投勝利を挙げた。

　試合後、浜口は言い訳にこそしなかったものの、1週間前に左手中指に血マメができてしまったことを明かし「自分のケア不足でした」と涙を目に浮かべた。そして「今日はチェンジアップもスライダーも抜けていて苦しい投球でした。これが今の実力です」と言葉を絞り出した。
　一方で、大学4年間を振り返り、「監督から、投手はマウンドに立つ以上、周りに見られる存在なので、素直さや謙虚さが大事だという話を常にしてもらい、野球以外の面でも成長できたと思います」と無名の高校生を育ててくれた古川祐一監督に感謝の気持ちを語った。

まさかの初回5失点で降板。試合後、悔しがる浜口

★大山＆中塚は要所で活躍できず

中央学院大　0030010002=6
白鴎大　　　2010000000=4
（延長10回タイブレーク）
【中】田辺、臼井——長井
【白】田村、渡邉峻、中村、安藤、中塚——渡邉亮、廣神
本塁打：千田（中央学院大）

　両者譲らず延長タイブレーク（10回より1死満塁からスタート）に持ち込まれた試合は、中央学院大が全日本大学野球選手権を準優勝した今春と変わらぬ勝負強さを発揮し、6対4で競り勝った。
　中央学院大は延長10回表に、8回途中から登板していた中塚駿太投手（4年・つくば秀英／西武ドラフト2位）から押し出しと4番・志岐晴太郎内野手（4年・熊本城北）のレフト前タイムリーで2点を勝ち越した。
　そして、その裏を9回から登板していた臼井浩投手（4年・光明学園相模原）が、大山悠輔内野手（4年・つくば秀英／阪神ドラフト１位）と廣神全留捕手（4年・桐生市商）を連続三振に斬って取り、試合終了。中央学院大が準決勝に駒を進めた。

◎白鴎大・大山悠輔内野手
「みんなに結果で恩返しをすることができず悔しいです。白鴎大に来たことで自分の人生を変えることができました。プロで結果を残し、今まで関わってくれたすべての人に恩返しをしたいです」

◎白鴎大・中塚駿太投手
「チームのみんなに申し訳ないです。貴重な経験をしたので、この試合を忘れずに野球を続けていきたいです。プロでは今日のような場面で抑えられる投手になりたいです」

悔しい敗戦となった中塚（右から2人目）大山（右から5人目）

★丸山、ピンチで登板も勝ち越し打浴びる

上武大　010000030=4
東海大　010010000=2
【上】寺沢、山下——吉田
【東】横川、神原、丸山——守屋、石井

　5回に杉崎成輝内野手（1年・東海大相模）の本塁打で1点を勝ち越した東海大だったが、8回にピンチを招くと2死満塁の場面で丸山泰資投手（4年・東邦／中日ドラフト6位）を投入。だが、ストレートが引っかかり押し出し死球を与え同点を許す。続く吉田高彰捕手（2年・智辯学園）にはストライクを入れにいったストレートをセンター前に弾き返され、勝ち越しとなる2点タイムリーを浴び、この回終了で降板。チームはそのまま、2-4で敗れ2年連続の明治神宮大会出場はならなかった。

◎東海大・丸山泰資投手
「自分の力を出し切れない1年でした。（ブルペンでは）今年1番良い球が投げられていたのですが、気持ちが先走ってしまいました。プロでは頼られる存在になるため、イチからやっていきたいです」

4年連続出場に王手をかけた上武大

文・写真：高木遊