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【U-23W杯】好調日本打線を牽引するリードオフマンと主砲 つなぐ意識が生む安定感


大会2日目を迎えた「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」で、日本は同グループ最大のライバルと思われたチャイニーズ・タイペイを相手に15得点を挙げ、大会規定により15-3で7回コールド勝ちを収めた。

■快勝の2戦目、1番・武田&4番・真砂が2人揃って5打数4安打4打点の活躍

 大会2日目を迎えた「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」で、日本は同グループ最大のライバルと思われたチャイニーズ・タイペイを相手に15得点を挙げ、大会規定により15-3で7回コールド勝ちを収めた。初戦ニカラグア戦では6点を挙げ、2試合で21得点。絶好調の打線を牽引するのは、リードオフマン武田健吾(オリックス)と4番を務める主砲・真砂勇介(ソフトバンク)の2人だ。

 初戦から1番に座った武田は、5度打席に立ち、1安打2四死球で3度出塁、2度ホームを踏んだ。そして、2戦目のチャイニーズ・タイペイ戦では、第1打席に左翼線二塁打を放ち、真砂の左翼適時二塁打で先制のホーム。2回には大会初のグランドスラムを放つなど、5打数4安打4打点3得点と大暴れした。2試合で10打席に立ち、7度出塁、1つの送りバントを決め、凡退はわずか2度だけ。「しっかり塁に出てチャンスメイクすることを意識しているので、それがここでうまく出ていると思います」と話す。

 2戦目が行われたサルティージョは、標高1600メートルの高地にあるため、打球が飛びやすい。試合の流れを決めた満塁弾は、武田自身「あそこまで伸びるとは思わなかった」と驚いた様子。もちろん、大事な場面で一発が出たことはうれしいが、それ以上に意味を持ったのが、初回に打った二塁打だ。リードオフマンとして、初回に出塁して打線にいいリズムを与えたい。だが、前日の第1打席は補邪飛で凡退。2戦目で“仕事”を果たし、「初回は大事。今日はツーベースを打ててよかった」と笑みを浮かべた。

■点ではなく線として次打者につなげる基本の徹底

 代表チームが集合したのは1週間前。世代を代表する打者が集まる中、斎藤雅樹監督が頭を悩ませたのは「1、2番(打者)をどうしようか」ということだった。練習試合2戦を経た結果、「調子自体もいいし、非常に出塁率が高い」と、武田をリードオフマンで起用。開幕から2戦連続で縦横無尽の活躍を見せる武田に「今、(起用が)成功しているってことですね」と相好を崩した。

 もう1人、ピタリと起用がハマっているのが、4番に座る真砂だ。初戦は第1打席に四球で出塁し、先制ホームを踏むと、3打数2安打1打点2得点と勝利に貢献。2戦目には5打数4安打4打点2得点を記録。わずか2試合だが、打率は.750。連日、得点圏に走者を置いた場面での勝負強さを見せつけている。斎藤監督は「チームのムードメーカー的なところがある。非常に明るいし、それがいい方に出てくれればいい」と期待を込めて主砲に据えたが、見事結果を出した。

 1番打者の武田同様、真砂が意識するのも打線の流れだ。「4番にこだわりはありません。4番目に打っているだけ。打線としてつながるように、点を取っていきたい」と、気負うことなく「つなぐ」意識を持つことで打線に活気をもたらしている。派手さは求めずに、点ではなく線として次打者につなぐ基本の徹底が、結果として1番と4番の安定感を生み出した。

 出塁して攻撃のトーンを決める1番、出塁した走者を返して次打者につなぐ4番。同じ意識を持った2人の働きは、3戦目以降も日本打線のカギを握ることになりそうだ。

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