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高校野球

エース市川睦の成長が強打を生み、二松学舎大附が3年ぶり2回目の夏甲子園【高校野球】

★春1対16の大敗を糧に

第99回全国高校野球選手権東東京大会決勝
二松学舎大附9-1東海大高輪台(7月29日・明治神宮野球場)

甲子園出場を決め喜ぶ選手たち


二松学舎大附が序盤の猛攻で3回までに8点を奪い、常に主導権を握って試合を進め、東海大高輪台を9対1で下した。これで二松学舎大附は3年ぶり2回目となる夏の甲子園出場(春は5回)を決めた。市原勝人監督は「選手たちが力を出し切ってくれて、たくさんの応援もあり一体感を持って戦えました」とホッとした表情で話した。

際立ったのは6試合56得点を挙げた強打線だが、その要因となったのは市原監督が「たくましい本当のエースになりました」と言うエース左腕・市川睦投手の成長だった。

春の東京大会準々決勝・日大三高戦では相手をかわすような受け身の投球をしてしまい、それが3回ノックアウト、1対16のコールド負けの引き金となった。これを機に食事とウェイトトレーニングの量を増やしてビルドアップを図り、市原監督も「あと8kg増やさなければエースナンバーを与えない」と発破をかけた。

この数値を市川がクリアすると、球速も急上昇し、今大会では自己最速となる143km/hをマークするまでになった。これにより変化球も有効に決まるようになり、自信に満ちたマウンドさばきになっていった。

この強気の姿勢が打線にも良い流れを生み、準決勝では関東一を8対1で破り同校の3連覇を阻止すると、決勝戦でも持ち味を十二分に発揮して東東京大会の頂点へ駆け上がった。

「甲子園でも攻めの投球をしていきたいです」と話す市川を筆頭に、二松学舎大附が聖地・甲子園でも躍進を狙う。

二松学舎大附 053010000=9
東海大高輪台 001000000=1
【二】◯市川—松江
【高】●西原、鵜飼、宮路—木下

甲子園でも強気の投球が期待される市川


同校野球部初の女子マネージャーとなった鈴木沙耶マネージャーを労う市原勝人監督


文・写真=高木遊