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「神様、仏様、バース様」再び? 3勝0敗&1打点の日ハム・バースは影のMVP


日本シリーズを通じて大車輪の活躍だったのは中継ぎ右腕のバース。MVP級といっていいほど、日本一に大きく貢献した。

■5試合登板で3勝0敗&防御率0.00、第6戦では8回に貴重なタイムリーも

 2016年の日本シリーズは日本ハムが広島を4勝2敗で下し、10年ぶり3度目の日本一を決めた。MVPは第6戦で試合を決める満塁弾を放つなど、寿司パフォーマンスが炸裂したブランドン・レアード内野手が獲得。優秀選手賞には好救援で3勝0敗のアンソニー・バース投手、第5戦でサヨナラ本塁打を放った西川遥輝外野手、4番としてチームを引っ張った中田翔内野手の3選手が選ばれた。

 中でも、シリーズを通じて大車輪の活躍だったのは中継ぎ右腕のバース。MVP級といっていいほど、日本一に大きく貢献した。6試合中、5試合に登板。第3、5、6戦で勝利投手となり、合計6回2/3を投げて、無失点だった。2連敗で迎えた第3戦では延長10回に登板し、1回を無失点。大谷のサヨナラ適時打に繋げた。第5戦では9回を無失点に抑え、西川のサヨナラ満塁弾のおぜん立てをした。

 マウンドだけではない。第6戦のハイライトでもある8回。日本ハムは中田の押し出し四球で勝ち越しに成功。そして、栗山監督は状態の良いバースを満塁ながらも、そのまま打席に送った。右腕は広島ジャクソンから貴重なタイムリーをセンター前に運んだ。気落ちしたジャクソンから、続くレアードがとどめのグランドスラム。バースは勝利投手になり、シリーズ3勝0敗、防御率0.00。1打数1安打1打点、打率10割という見事な数字を残した。

■ネット上でも「神様、仏様、バース様」、31年ぶりの“バースMVP“を期待する声も

 1985年に阪神の最強助っ人、ランディ・バースが3冠王になり、日本シリーズでも打率.368、3本塁打、9打点と大活躍。シリーズMVPを獲得した。「神様、仏様、バース様」という言葉が生まれたほど阪神ファンは歓喜。その“本家”以来のバースの大活躍に、今回はネット上でも「神様、仏様、バース様」「MVPはバースだ」など、31年ぶりの“バースMVP“を期待する声も上がっていた。

 バースの3勝を上回るシリーズ4勝の記録は、1958年にフル回転で西鉄を日本一に導いた稲尾和久氏、1959年に4戦4勝で「史上最強のアンダースロー」といわれた南海の杉浦忠氏がいる。稲尾氏の鉄腕ぶりには「神様、仏様、稲尾様」という見出しが新聞紙面に踊った。このレジェンド2人を含め、過去の3勝以上の投手はすべて先発投手。バースは中継ぎで3勝と、価値ある働きだった。

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