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社会人野球

2025年シーズン到来!社会人野球を楽しむ上で見逃せない注目9選手をピックアップしてご紹介

近年、ますます注目が集まっている社会人野球。特に毎年東京ドームで開催される都市対抗野球は、NPBや甲子園ともまた違う独特の雰囲気があり、高い人気を誇る。都市対抗の他にも日本選手権や全日本クラブ野球選手権などのビッグタイトルがある社会人野球の世界で、2025年シーズン特に注目したい選手をピックアップ。今回は、昨年ベストナインを獲得した選手を中心に9人の注目プレイヤーを紹介していく。

 

逢澤崚介(トヨタ自動車)

社会人6年目を迎えた昨シーズン、夏にトヨタ自動車のキャプテンに就任すると、明るいキャラクターと持ち前のリーダーシップでチームを牽引した逢澤崚介選手。2024年はベストナイン&最多打点の賞を獲得し、日本選手権優勝の原動力に。4番センターという、チームの要ともいえるプレッシャーもある中、日本選手権の決勝戦では初回に唯一となる本塁打を放つなど勝負強さも光る28歳だ。目標だと語る都市対抗優勝に向けて、今シーズンはさらなる活躍に期待が高まる。

 

本間大暉(三菱重工East)

昨シーズン、都市対抗野球において念願の初優勝を果たした三菱重工East。大会期間中4試合に登板し15回を投げわずか1失点という見事なピッチングを披露し、最優秀選手賞(橋戸賞)を受賞したのが本間大暉投手だ。ハイライトは準決勝。東京ガスとの試合では8回無死一、三塁の大ピンチにリリーフとして登板すると、後続を3者連続三振に抑え見事な“火消し”。この活躍もあって2024年のベストナインにも選出された。狙って三振がとれる本格派左腕として、2025年も先発、リリーフと大車輪の活躍が期待される。

 

対馬和樹(三菱重工East)

本間とともに、都市対抗野球で優勝した三菱重工Eastを牽引したのが今季12年目のシーズンとなるベテラン捕手の対馬和樹選手。大会では全試合フルイニング出場を果たすなど、まさに扇の要的な存在だ。日本選手権では12打数5安打と大当たり。2024年シーズン対象試合18試合で52打数16安打、打率.308、1本塁打、9打点と打撃も冴えわたり、見事ベストナインにも選出された。今季も優勝を目指し、ベテランらしい落ち着いたリードで投手陣を引っ張っていく。

 

野崎大地(西濃運輸)

都市対抗の準々決勝、タイブレークにも連れ込むシーソーゲームに終止符を打つ劇的な満塁本塁打を放ったことも記憶に新しい野崎大地選手。チームは惜しくも優勝を逃したが、打

率.533で見事首位打者に輝いた。都市対抗以外でも、昨シーズンは7年目にして大ブレイクともいえる活躍をみせ、対象試合13試合に出場し、51打数21安打、打率.412、2本塁打、14打点と自慢の打棒が大爆発。見事3塁手として初のベストナインも受賞した。1発が期待できるスラッガーながら、あくまでも自身の意識は出塁にあるという野崎選手。頼れる主砲&キャプテンとして、2025年は都市対抗優勝を目指す。

 

佐藤勇基(トヨタ自動車)

中日ドラゴンズなどで活躍した佐藤秀樹氏を父にもつサラブレッド、佐藤勇基選手。名門ルートと言える中京大中京高校から法政大学を経て、社会人4年目となった昨シーズンは優勝した日本選手権で打率.563を記録し見事首位打者に輝くなど、強豪トヨタ自動車でも存在感を発揮した。広角に打ち分けるアベレージヒッターとして2024年シーズンは対象試合18試合で59打数25安打、打率.424、1本塁打、10打点を記録し、二塁手としてベストナインも獲得。安定感のある守備に加えて、大事な場面に強いクラッチヒッターとして2025年も名門の中軸を担っていく。

 

網谷圭将(ヤマハ)

2016年から2018年まで横浜DeNAベイスターズで育成選手として活躍した後、ヤマハに入部した網谷圭将選手。2024年は対象試合18試合に出場、65打数28安打、打率.431、3本塁打、14打点を記録し外野手として2年連続でベストナインを受賞した。JABA京都大会では打率.524、3本塁打。JABA東北大会でも打率.500と両大会で首位打者を獲得するなどその打撃センスはさすがといったところ。都市対抗戦では34年ぶりに優勝を目指したものの、まさかの初戦でコールド負けを喫したヤマハ。王座奪還を目指し、クリーンナップとして網谷の活躍は必須だろう。

 

吉岡郁哉(王子)

王子の4番打者として、圧倒的な存在感を放つ吉岡郁哉選手。2024年は対象試合15試合に出場、52打数25安打、打率.481、3本塁打、11打点を記録し外野手として初のベストナイン&自身2度目となる年間首位打者を獲得した。高校時代は智弁和歌山高校で、巨人・岡本和真選手の後を打つ4番打者として共闘したスラッガーながら、法政大学在籍時代はメンバー漏れを経験するなど努力を重ねた苦労人。今季も主軸としてチームを牽引していく。

 

下山悠介(東芝)

昨年は、三菱重工Eastの補強選手(都市対抗野球では、同地区の予選で敗退したチームから最大3名をレンタルできる独自のシステムがある)として都市対抗野球に出場すると2本塁打を放つなど初優勝に貢献した下山悠介選手。慶應義塾高校、慶應義塾大学を経て社会人2年目となった2024年は対象試合16試合に出場、56打数18安打、打率.321、4本塁

打、13打点をマークし指名打者としてベストナインを初受賞した。下山の持ち味といえば、やはりその長打力。引っ張り方向への強い打球が印象的だが、新シーズンに向けては逆方向への強い打球にも意識的に取り組むなど進化を続け、東芝での都市対抗Vを目指す。

 

和田佳大(トヨタ自動車)

名門中京大学を経て、2020年にトヨタ自動車に入社した和田佳大選手。日本選手権優勝の原動力となった守備の要は、167cmと小柄な体格だからこその軽快な守備に定評がある。守備型の選手ではあるが、2024年は守りに加えて打撃でも貢献。対象試合20試合に出場し、55打数1安打、打率.345、8打点をマークし遊撃手として見事ベストナインを初受賞した。6番、9番と打順の繋ぎの部分を任されることが多い和田。状況に応じた打撃と、ここぞの一打でチームに勢いをもたらす。

 

近年のNPBドラフトでは、各チーム即戦力の選手を指名することが非常に多く、社会人チームや独立リーグ、クラブチームからの指名も多くみられる。社会人野球からのプロ入りといえば、2023年横浜DeNAベイスターズにドラフト1位指名された度会隆輝選手が記憶に新しいだろう。度会選手も社会人野球最後の1年となった93回都市対抗野球大会では橋戸賞(最優秀選手賞)・若獅子賞(新人賞)・打撃賞の三冠に輝き、その年のベストナインに輝くなど大活躍を見せた。「ずっと追っていたお気に入りの選手がいつかプロの世界に」。ファンにとっては社会人野球を見る上でそんな楽しみ方もありではないだろうか。

 

2025年度の主要大会スケジュールを以下に記載するので、読者の皆さんもお気に入りの選手を見つけに球場に足を運んでほしい。社会人野球の魅力に出会えるかもしれない。

 

【 第96回都市対抗野球大会】

開催期間:2025年8月28日(木)~9月8日(月)

開催場所:東京ドーム

出場チーム数:32チーム

 

【第49回全日本クラブ野球選手権大会】

開催期間:2025年9月13日(土)~16日(火)

開催場所:坊っちゃんスタジアム(松山市)、マドンナスタジアム(松山市)他

出場チーム数:16チーム

 

【第50回社会人野球日本選手権大会】

開催期間:2025年10月28日(土)~30日(火)、11月4日(火)〜12日(水)

開催場所:京セラドーム

出場チーム数:32チーム