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高校野球

スケールの大きな強打強肩俊足 大舞台に強いアスリート系外野手 海老根優大(大阪桐蔭高)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 高校生編】

海老根優大(えびね・ゆうだい)
●守備 外野手 ●身長・体重 182cm・85kg
●生年月日 2004年9月11日 ●所属 大阪桐蔭高
●球歴 こてはし台中(京葉ボーイズ)→大阪桐蔭高
●出身地 千葉県 ●投打 右右
【写真提供:共同通信】

 千葉市の生まれで小学6年生で千葉ロッテJr.に選ばれた。必然的に小さい時から千葉ロッテのファンである。

 中学では京葉ボーイズに所属して侍ジャパンU-12代表で世界一、2019年にはU-15代表とNOMOジャパン入りも果たしていて、選りすぐられて大阪桐蔭に入学している。
父が競輪選手で母が陸上選手。小学校6年生の全国大会で100メートル走で4位、DNAを受け継いだ今では50mを6秒0で走る。遠投110mの俊足強肩のアスリート系球児の代表格だ。

 大阪桐蔭・西谷監督が「足の速さは歴代トップクラス」と評したように、排気量の大きなエンジンを搭載し、野球でもその威力を発揮してきた。
 それはチ―ムへ波及した。徐々にスピードを上げて加速していくベースランニングにつられて打線は勢いづき、外野守備では抜けそうな飛球に楽に追いつくこともしばしばで、矢のようなバックホーム返球で窮地を救った。

 西谷監督が中学時代の海老根に感じたのは、”ロマン”だったという。バットに当たればものすごい飛距離が出るシーンを目撃してのことだ。

 2年の秋から主力メンバー入りして4、5番を任されてきた。

 甲子園では今年のセンバツ、鳴門の好投手・富田からタイムリーを打っている。ホームランは3本。準々決勝の市和歌山戦と決勝の近江戦。夏は初戦、序盤に苦戦した旭川大高戦で同点に追いつく価値ある1本だった。

 付け加えると、全国デビュー戦になった2年秋の明治神宮大会2回戦、敦賀気比戦で逆転3ラン。今年の夏の大阪大会、プロ注目右腕の大阪電通大高校・的場投手から左越えのアーチを放つなど、目立つポイントで大きな仕事をしている印象がある。

 ちなみに甲子園の成績は、センバツは19打数8安打6打点。夏は15打数7安打7打点。最強チームの5番の役割を見事に全うした。盗塁も春夏8試合で5個、決めている。

 単純に走るということだけならプロレベルにあるというスカウトもいる。

 ただ、今のところポテンシャルだけで成績を積み上げているイメージか。

 スカウトが言う。
「スケールの大きさを感じる素材型の選手です。飛ばす力、振る力、投げる力とどれにしても高い能力を持っている。足が速く、肩もいい。練習より試合のほうがいいパフォーマンスをする印象があり、ゲームの中でピッチャーにどこまで対応できるか。打撃に柔軟性が出てくれば鬼に金棒です」

 どれだけ多く、ツボにはまるバッティングができるか。

 大阪桐蔭の関係者が海老根の性格について口をそろえて言うそうだ。「物おじしない」と。公式戦という大事な場面で結果を残してきたのも頷ける。プロで成功するには必要なファクターになる。