プロ3年目の剛球右腕、横浜DeNAの伊勢大夢。ハマスタの「8回の男」として好投を続ける新星リリーバーが、監督推薦で球宴初出場。憧れの夢舞台のマウンドに立つ。

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　1998年3月7日生まれ。熊本県熊本市出身。小学4年から野球を始め、中学3年からピッチャー。九州学院高では1年秋からベンチ入りし、3年時にはエースとして春夏連続で甲子園出場。進学した明治大でも1年秋から公式戦に登板し、同学年のエース・森下暢仁（現・広島東洋）の影に隠れながらも、サイド気味の変則スリークォーターから最速150キロを超える馬力のあるストレートを武器に活躍し、2019年秋のドラフト会議で横浜DeNAから3位指名されてプロ入り。プロ1年目から33試合に登板（3勝1敗4ホールド、防御率1.80）すると、2年目の昨季の39試合に登板（0勝1敗6ホールド、防御率2.80）した。

　迎えた3年目の今季は、開幕から完璧リリーフを続けて「勝利の方程式」入りを果たした中で21試合連続無失点を記録。7月21日の時点でリーグ最多の45試合に登板するとともに、「8回の男」としての地位を確立した中で抜群の安定感を示し、2勝2敗23ホールド1セーブ、防御率1.03の好成績をマーク。昨年終盤に抑えで起用されながら痛打された経験と悔しさも糧に、7月9日の読売巨人戦（東京D）では8回2死からのイニングまたぎでのプロ初セーブを記録。ストレートで強気に押しながらスライダー＆フォークで空振りを奪い、投球回（43回2/3イニング）を上回る45奪三振をマークしている。

　そして、今年のオールスターには監督推薦で初出場が決定。「憧れのオールスターゲームに選出していただきとてもうれしい気持ちです」と喜んだ伊勢。大卒3年目、24歳で掴んだ夢舞台に向けて、「数字として圧倒的なボールはないのですが、ストレートを多く投げて好打者にどれだけ通用するのか楽しみながら投げたいと思います。またファンの皆さんに勇気と元気を与えられるようなプレーをしたいです」と意気込みを語った。

　セ・リーグ選抜では、同じ熊本県熊本市出身で高校時代の2学年下の後輩である村上宗隆（東京ヤクルト）と久々に同じチームとなって戦う。その上で、今季交流戦で対戦しなかった柳田悠岐（福岡ソフトバンク）や吉田正尚（オリックス）の強打者との対戦を希望し、その際には自慢のストレートで真っ向勝負を挑むつもり。「伊勢大明神」として信頼度を高めている剛腕が、オールスター舞台での“快投”で自らの名前をさらに広める。