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プロ野球

北海道日本ハムが10対4で勝利し、10年ぶり3度目の日本一に

広島に舞台を移しての日本シリーズ第6戦は、8回にビッグイニングを作った北海道日本ハムが10対4で勝利し、10年ぶり3度目の日本一に輝いた。

 好試合の続いた今回の日本シリーズだったが、両チームともミスが目立つ展開で、決勝点は押し出し四球からの大量失点と意外な結末となった。
 初回に第5戦でサヨナラ満塁弾を放った西川が、広島先発の野村の初球をとらえて右中間に3塁打を放ち、3番に入った岡のタイムリー内野安打で日本ハムが1点を先制。その後は一進一退の攻防が続き、2回には広島が松山と鈴木の連打で無死2、3塁のチャンスを作り、ワイルドピッチとエラーで2点を奪って逆転。4回には、日本ハムが田中のタイムリーと西川の2点タイムリー3塁打で2点を勝ち越したが、このイニングも失策が絡んでの得点だった。
 粘る広島は、5回に丸のソロ本塁打、6回には代打・下水流のタイムリーで同点に追いついたが、リリーフ勝負となった勝負が終盤を迎えた8回に、日本ハムがビッグイニングを作った。この回から登板した6連投のジャクソンに対して、日本ハムは2死無走者から西川、中島、岡の3連打で満塁とし、中田の押し出し四球で勝ち越すと、投手のバースにもタイムリーが飛び出した。仕上げは「大事な場面だったので、なんとか打ってやろうと思っていた」というレアードの満塁弾で、この回6点を奪って試合を決めた。

 日本ハムは西川、中島の1、2番が全11打席中9度の出塁で、大谷不在のスタメンでも得点力を見せた。特に西川は、初回の一打で野村の出鼻をくじき、立ち直りを見せた4回には勝ち越しの2点タイムリーと、第5戦の劇的弾の勢いそのままに、勝利に貢献した。2人で出塁がわずか一度のみに終わった広島の田中、菊池と、1、2番の差が結果につながる試合となった。シリーズMVPには、この日も試合を決定付ける満塁本塁打を放つなど、シリーズ3本塁打のレアードが選ばれたが、チーム一丸での戴冠だった。
 監督就任以来、初の日本一となった栗山監督は、お立ち台で「今年は選手、ファンも含めて広島の皆さんが野球の流れを作ってくれて、どうしても日本シリーズでやりたいと思っていた」と切り出し「ここで最後の最後まで野球をやらせてもらって、感謝しています」と感慨深そうに話した。連敗スタートと苦しいシリーズとなったが、「札幌の試合もそうだったが、全てどちらに転んでもおかしくないゲームばかりだった。野球の難しさばかり心に残ったシリーズ。勝った実感というのは、まだあまりない。僕も選手たちも勉強させてもらった」と続けた。
 それでも「1試合ごとに選手たちが成長している姿を実感できた。選手を褒めてあげてください」と笑顔を見せ、「若いチームなので、みんなで上手くなっていくしかない。まだまだ途中なので、明日からも前に進みたい」とチームの未来に期待。最後は「今年は北海道でも災害があって苦しんだ人もいた。その人たちに、少しでも力になれたら嬉しい。1年間、本当にありがとうございました」と、北海道のファンに感謝し、大逆転のシーズンを締めくくった。