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「3時間39分+中断43分」雨中の熱戦は両者一歩も譲らず!立大と明大の優勝決定カード1回戦は3対3の引き分け!【5/21 春季東京六大学野球 立教大学vs明治大学】

 5月21日、東京六大学野球春季リーグの第7週1日目が行われ、「今カードで勝ち点を取った方が優勝」という首位決戦となった立大と明大の第1試合は、延長12回の末に3対3の引き分けとなった。

雨中の一戦は、43分間の中断を挟み、延長12回の末に3対3の同点で終わった

 ここまで勝ち点4(8勝3敗1分)の首位・明治大と勝ち点3(6勝2敗1分)の2位・立大の対戦。この日から応援団の応援エリアを従来の内野席に戻された中で試合開始。2回裏の途中に降雨によって43分間の中断を挟みながらも、立大・荘司康誠(4年・新潟明訓)と明大・蒔田稔(3年・九州学院)の両先発による白熱した投手戦が展開された。

「今日は調子というよりも、気持ちを、気合を入れて行きました」と振り返った明大の蒔田は、初回3者凡退の後、2回表の1死満塁のピンチを併殺打で切り抜けると、その後も気迫溢れるピッチング。3回、5回6回と毎回のように得点圏に走者を背負いながらも後続を抑え、7回表2死満塁のピンチにも立大の4番・山田健太(4年・大坂桐蔭)をフルカウントから空振り三振に仕留めて得点を許さず。一方の立大・荘司も、エースとして貫禄のマウンドさばき。中断明けの2回裏2死一、三塁でピンチを切り抜けると、「雨は気にならなかった。集中していた」と3回以降は尻上がりに調子を上げながら、7回まで2安打無失点に抑える好投を披露した。

立大の先発・荘司が帽子を飛ばしながら力投を続ける

 試合が動いたのは8回表だった。この回から2番手としてマウンドに上がった明大・髙山陽成(4年・作新学院)に対して、立大が1死から6番・黒岩陽介(4年・静岡)がヒットで出塁すると、続く7番・吉岡広貴(4年・広陵)が右中間を破るタイムリー3塁打。さらに9番・佐藤元(4年・福岡大大濠)のスクイズと2番・柴田恭佑のタイムリーで2点を追加し、この回3点を奪った。

 だが、ここから明大が“しぶとさ”を見せ、失点した直後の8回裏に2番・長南佳洋(4年・八戸光星)がタイムリーで1点を返すと、土壇場の9回裏には7番・堀内祐我(3年・愛工大名電)のタイムリーで1点差。そして2死一、三塁となった場面で、途中出場の西山虎太郎(4年・履正社)がフルカウントからのストレートをしぶとくライト前へ運び、3対3の同点に追い付いた。

 延長線突入後は両チームの救援陣が好リリーフを見せ、そのまま延長12回引き分けで試合終了。「本当は勝てたと思いますが、流れ的には厳しい状態だったので、結果的には負けなくて良かった。プラスに考えるしかない」と立教大・溝口智成監督。一方の明治大・田中武宏監督も「しぶとかった」とチームの粘りを称えながら「勝たなきゃいけなかった」と悔しさを滲ませた。明日22日の第2試合で、仕切り直しの一戦に挑むことになる。

土壇場で同点打を放った明大・西山がガッツポーズを見せる

■立教大vs明治大1回戦
立大 000 000 030 000=3
明大 000 000 012 000=3
【立】荘司、沖-黒岩
【明】蒔田、髙山、渡部慎、千葉-蓑尾、菅原

◎立教大・溝口智成監督
「もったいない。自ら(勝利を)手放した感じですね。それも絡んだのが4年生なんでね。でも、その後に引き分けたことで、まだどっちに転ぶか分からないという中で明日に向かえる。本当は勝てたと思いますが、流れ的には厳しい状態だったので、結果的には負けなくて良かった。プラスに考えるしかない。(先発の荘司は)前半はどうかなと思ったが、後半から良くなった。もうちょっとだった。本人が一番悔しいでしょうけど、優勝するためにはこういうところを乗り越えないといけない」

◎立教大・荘司康誠(4年・新潟明訓)
「1点の勝負、終盤の勝負になるだろうとは予想していた。イニング間でも集中していたけど、最後に粘れなかったのが悔しいです。打ち取った当たりがいいところに飛んでしまったのは、何かが足りなかったということ。切り替えて、明日に向けてやるしかない。」

◎明治大・田中武宏監督
「(9回裏は)しぶとかった。クリーンなヒットじゃないのがウチらしかった。だからこそ勝たなきゃいけなかった。(蒔田の交代は)蒔田が投げている時だけ雨が強くなっているような感じで気の毒だった。雨で滑ってもいたので、体へのダメージも心配だった。7回まで(打線が)抑えられていたところから、誰がということではなくてみんなで返したという思いは、ベンチの中で感じた。明日以降、13回の表だと思って、やってくれると思います」

◎明治大・蒔田稔(3年・九州学院)
「自分は高校の最後もこういう大一番で勝てなかった。大学でやり返すんだというおもいでやってきた。今日は調子というよりも、気持ちを、気合を入れて行きました。(内野スタンドからの応援に)今までと違う感じがして、立教側の応援がプレッシャーにはなったんですけど、それが楽しいという感じがしました。立教よりもタフな試合をやってきたという自負がある。立教の荘司投手も良い投手ですけど、次は荘司投手よりも長くマウンドに立てるようにしたい」