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社会人野球

2回戦で敗退の三菱重工West。都市対抗初出場バッテリーが味わった悔いは来年へ生かす糧に【都市対抗野球大会】

 2021年12月5日、東京ドームで第92回都市対抗野球大会の8日目が行われた。逆転で初戦を突破した三菱重工West(神戸市・高砂市)は東京ガス(東京都)と対戦し、1対5で敗れベスト8進出はならなかった。

先制打を含む3安打の福永裕基

 三菱重工Westは初回、連続四球で無死一、二塁のチャンスを作ると、初戦で逆転打を放った福永裕基(日本新薬からの補強選手)のレフト前へタイムリーで先制する滑り出し。

先制のホームを踏んだ根来はベンチで仲間と喜ぶ

 この試合で先発を託されたのは、山口敏弘監督が「ここ1年、非常に成長したピッチャー」と評する3年目の湯川翔太。だが先頭打者に四球を許し無死一塁とすると、続く打者を2ストライクと追い込んだ後、要求通りボール球を投じたがレフトへ運ばれ同点。「もっとボールだったらあそこまで打たれなかった」と悔いの残る一球になった。さらに2死二塁からタイムリーを打たれて1-2と逆転される。

本調子ではなかったが成長株で先発を託された湯川

 湯川は2回、この回の先頭打者に四球を与えたところで降板。2番手の川瀬航作(日本製鉄広畑からの補強選手)も2死二塁としたもののタイムリーを打たれてしまう。

 さらに5回には山口監督が「この失点が大きかった」と振り返ったように、2死無走者から死球をきっかけに2失点を喫し、1-5とリードを広げられた。
初回に先制打を放った打線は4回まで毎回ヒットで走者を出すものの、併殺打などで生かせず追う展開に。

 7回には3番・福永、4番・皆川仁(日本生命からの補強選手)の連打で無死一、二塁のチャンスを作るが併殺打で2死三塁とし、さらに四球で2死一、三塁と粘るが得点には至らず。相手を上回る9安打を打つものの、追加点を奪えずに1-5で敗れた。
だが先発バッテリーの湯川、拾尾昌哉ともに初めての都市対抗本選に出場し、東京ドームのグラウンドに立った。結果は悔しいものとなったが、湯川が試合後に「ちょっとずつ信頼されて大舞台を経験させてもらってこの結果なので、もっと自分を磨かないと」と語ったように、この経験を糧としてさらに成長して戻ってきてくれるだろう。

ロッテから5位指名を受けた八木は1回を三者凡退に抑える好投で最終登板を飾った

円陣を組む選手たち。ベンチでも前のめりになって声をかけ続けた

試合後、応援を送り続けてくれたスタンドに挨拶する選手たち

■第92回都市対抗野球大会2回戦
三菱重工West 100000000=1
東京ガス 21002000x=5
【W】●湯川、川瀬、大内、伊藤、八木-拾尾、塚畝
【東】○髙橋、三宮、宮谷-馬場

◎三菱重工West・山口敏弘監督
「ヒットは出ていたがタイムリーが出ずに1点に抑えられてしまった。(初戦に先発した)森翔平の先発も十分に考えられましたが、湯川もここ1年非常に成長したピッチャーなので大きい舞台を経験させたかったが、本来のピッチングができませんでした」

◎三菱重工West・湯川翔太
「いつもと比べて真っすぐの走りがよくなかった。いつもの真っすぐだったらファールを取れていたのに、弱い分ミートされて打たれてしまった。全体的に制球がよくなくて、先頭の四球が全てだと思います」

◎三菱重工West・拾尾昌哉
「立ち上がり、勢いづいてきたところの失点が悪かったです。チームで話していた最少失点で抑えられなかった。自分はヒットを打って盗塁も刺してよかったのですが、勝利が一番なので勝てなかったのがダメなところ。初めての都市対抗でいい経験をさせてもらったので、この悔しい思いを持って来年頑張りたいです」