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竹田祐が執念の完投勝利で明大が優勝戦線生き残り!立大が優勝の可能性が消滅【10/23 秋季東京六大学野球 明治大学vs立教大学】

 2021年10月23日、東京六大学野球秋季リーグの第6週1日目が行われ、明大がエース・竹田祐(4年・履正社)の5安打完投勝利で2対1と競り勝ち、優勝戦線に勝ち残った。一方、立大は優勝の可能性が消滅した。

最後の打者をアウトに取ると竹田はガッツポーズで喜びを表した

 前回登板の対早大1回戦(10月16日)では、7回4安打無失点に抑えながらも後続の投手たちが打ち込まれ逆転負けを喫していただけに、今日の竹田は「絶対1人で投げ切ると決めていました」と覚悟を持ってマウンドに上がった。

 そんな竹田の思いに応えようと打線が初回から援護する。先頭の丸山和郁(4年・前橋育英/ヤクルトドラフト2位指名)が「打順に関係なく初球から行こうと思っていました」とレフト前に運んでチャンスメイク。その後二死二塁となって4番の上田希由翔(2年・愛産大三河)がセンターへの大きな飛球を放つ。するとこの打球を立大の宮崎仁斗(3年・大阪桐蔭)が落球し先制に成功。さらに続く山田陸人(3年・桐光学園)がレフト前に運び、2点目を挙げた。

 この援護をもらった竹田は5回に1点こそ失うも、6回は3四死球で満塁のピンチを招いたが、見逃し三振で同点を許さず。8回の打席では結果的に空振り三振とはなったが「気合いが入りすぎで足が吊っちゃいました」というほどのスイングを見せるなど、登板時以外も気迫でチームを牽引した。

 そして9回、最後の打者を抑えるとガッツポーズで拳を握りしめ、負けられない一戦を投げ切った喜びを大きく表現した。
 これで優勝戦線に生き残ることになった明大の田中武宏監督は「4年生の中心選手が良い姿を見せると、良い試合になりますね」と丸山と竹田を称えた。また、主将の丸山は「後が無いと思うのではなく、一戦必勝の気持ちで戦っていきたいです」と残り3試合に目を向けていた。

9回5安打8奪三振1失点完投勝利で今季2勝目を挙げた竹田

■明治大vs立教大1回戦
明大 200000000=2
立大 000010000=1
【明】◯竹田-蓑尾
【立】●池田陽、島田、荘司、宮-黒岩

◎明大・竹田祐(4年・履正社)
「前回の登板では7回で降板した後に負けたので責任を感じていました。今日は絶対に1人で投げ切ると決めていました。6回の3四死球は体が前に突っ込みすぎていたので修正し、蓑尾のリードを信じて投げました。前回も内容は悪くなかったのですが、今日はストレートの球威が落ちずに投げ切れました」

◎立大・溝口智成監督
「選手は精いっぱい戦いましたが勝ちを招くことができませんでした。監督の責任です。1本出るか出ないかのところで竹田くんが勝っていました。優勝争いをする中で勝ちきる力を詰めていかないといけません」

◎立大・太田英毅主将(4年・智辯学園)
「大事な試合だということは分かっていましたが負けは負け。悔しい気持ちです。優勝が無くなったとはいえ、これで明日(今季最終戦)に気持ちが切れるチームではないと思っています。これまで通り勝ちにこだわって戦っていきます」

代打・柴田颯(3年・札幌第一)のタイムリーで1点を返した立大だったが、要所でもう一本が出ずに競り負けた

文・写真=高木遊