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大学球界屈指の韋駄天・渡部遼人の活躍で慶大が春秋連覇に向けて連勝発進【9/20 秋季東京六大学野球 東京大学vs慶應義塾大学】

 2021年9月20日、東京六大学野球秋季リーグの第1週2日目が行われ、第1試合では慶大が4対1で東大に快勝。春秋連覇に向けて好発進した。

走攻守三拍子が揃い、世田谷西リトルシニア時代もチームメイトだった正木智也とともにプロ入りも目指している渡部

 全日本大学野球選手権で2番打者として打率.563を記録し首位打者に輝いた渡部遼人(4年・桐光学園)が今秋も絶好調だ。今夏のオープン戦途中から1番打者として起用され、1回戦に続き3安打を放って連勝に貢献した。
 
 3安打の中でも一番の大仕事となったのは2回表の第2打席。先発投手の増居翔太(3年・彦根東)がセーフティースクイズを失敗し嫌な流れになりかけたが、渡部が甘く入った打球を右中間深くに運んで二者が生還した。さらに自身も快足を飛ばし11秒を切る圧倒的なスピードで三塁に到達。続く福井章吾(4年・大阪桐蔭)のセンター前安打で生還し3点目のホームを踏んだ。

 投げては先発の増居が6回2安打無失点と安定した投球を見せて東大打線を寄せ付けずにいると、その裏には増居の代打・綿貫達也(4年・慶應義塾)がライトスタンドに飛び込む本塁打を放ってダメ押し。

 7回からは橋本達弥(3年・長田)が3イニングを1失点にまとめ、試合を締めた。

 試合後、堀井哲也監督は「春以降、打力が上がっていて自信をつけている」と渡部の成長を頼もしく感じており、渡部自身も「試合の中で修正ができていますし、出塁を期待される中でそれができているので自信がついています」と手応えを掴んでいるようだ。

 9月10日には「日本で一番レベルの高いところで野球をやりたい」とプロ志望届を提出。チームの春秋連覇に加え、自身の未来を切り拓くためにも、走攻守で大いに躍動していきたい。

春季リーグ4勝を挙げている増居は秋も好調。リーグ戦通算7勝目を挙げた

■東京大vs慶應義塾大2回戦
東大 000000001=1
慶大 03000100X=4
【東】●奥野、西山、小宗-松岡泰
【慶】○増居、橋本達-福井
本塁打:慶大・綿引(6回ソロ)

◎渡部遼人(4年・桐光学園)
「冬から取り組んできた見直してきた打撃フォームにだんだんと結果がついてきています。インサイドアウト(バットを内から出してヘッドを走らせるスイング)や強くボールを叩くイメージでスイングしています」

昨日に続き1得点に終わった東大だが強肩捕手の松岡泰希(3年・東京都市大付)は連日の2安打を放った

文・写真=高木遊