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大谷は190キロ超!?ヒットや長打になりやすい打球速度とは!

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■大谷翔平が与えたインパクト

 エンジェルス・大谷翔平の一打席一打席が、今メジャーリーグファンの注目の的となっている。それほどまでに、バットに当たれば長打という状況が続いている。日本時間7月5日の試合で今季31号本塁打を放ち、日本人のメジャーリーガーでシーズン最多だった2004年の松井秀喜氏に並ぶと、8日には32号、10日に33号をマークし、最多本塁打記録を塗り替えた。

 これらはシーズン半ばの出来事であり、フルシーズンとなれば今後も数字を伸ばすことは想像に難くない。しかも、大谷は7日の試合において、7回2失点の好投で日米通算50勝目をマークしたことからもわかるように、選手登録は「投手」なのだ。

最高打席ランキング(表1)

 ピッチャーで一流、バッターでは現役最高峰の成績を収めている大谷。そのバッターとしての優秀さを表す指標の一つが、打球速度である。

 表1は選手個人ごとに今季の最も速い打球をランキングにしたものだ。50本塁打以上を記録したことのあるヤンキースの強打者・スタントン、ジャッジらと並び、大谷はメジャーリーグ指折りのパワーの持ち主であることがわかる。

■打球性質の一つ、打球速度

 バッターのパワーを如実に表す打球速度は、打球を追尾するトラッキングシステムによって取得されている。

 メジャーリーグでは2015年からStatcastと呼ばれるシステムが稼働し、投球や打球、選手を追跡して様々な情報を数値化している。それらの1球単位のデータがBaseball Savantというメジャーリーグ公式のデータサイトで公開されていて、この記事で紹介するデータはすべてこのサイトから引用している。主な打球に関係するデータを以下に挙げた。

・速度
・角度(ゴロ、ライナー、フライなど)
・方向(レフト、センター、ライトなど)

 取得できるデータには、速度の他にも角度などがある。打者にとって最高の打席結果である本塁打とは、速く角度のついた打球を放ち、スタンドまで届かせることで生まれるため速度も角度も重要といえるが、今回は打球速度が速いことによってどのようなメリットがあるのかを紹介したい。

■速い打球は安打、長打になりやすい

2021年MLB:打球速度別打率(図1)

 
 図1は打球速度を10キロ刻みで区分し、その打球が安打になった確率を算出したものだ。

 この図から、150キロ未満の打球は2割程度しか安打にならないことがわかる。150キロから160キロにかけての打率から数字が上がり、160キロを超えると半数以上、170キロ以上の場合、およそ7割が安打になる。もちろん打球のスピードがすべてではなく、強振して空振りになるデメリットを考慮すべきではあるが、インプレーの打球になりさえすればそのスピードは速ければ速いほど好結果につながりやすい。

2021年MLB:打球速度別本塁打(表2)

 これが本塁打の場合は、さらに顕著な傾向になる。前半戦終了時点で打球速度が計測されていた3192本塁打のうち、150キロ以上の打球が占める割合は99%を超えていた。このことから、メジャーリーグで本塁打を放つには打球速度で150キロを出せるだけの筋力やスイングスピードが求められるといえるし、現実にメジャーリーグでプレーできなくとも150キロの打球速度が出せるならば、理論上は最高峰の舞台でも本塁打を放つパワーを備えているともいえるだろう。
なお、守備の目安としてメジャーリーガーは守備位置などの影響があるものの、160キロのゴロ打球をおよそ70%、170キロであれば58%ほどアウトにしていることにも触れておきたい。

■ホームランダービーでも打球速度に注目

 近年は携帯用のトラッキングデバイスも多種多様なものが流通している。ちなみに、今年のメジャーリーグの打球速度の平均は約142キロである。先述の150キロと併せてこれらの数字を物差しにすることで、バッティングセンターや草野球などで自身と一流選手を気軽に比較できる時代がやってくるかもしれない。

 7月16、17日に開催されるマイナビオールスターゲーム2021の試合前に実施されるホームランダービーでは、本塁打になるかどうかの基準といえる「150キロ」を頭の片隅に入れつつ、日本プロ野球のスラッガーたちの競演に注目してほしい。

※データは日本時間2021年7月14日時点
引用元: https://baseballsavant.mlb.com/

文:データスタジアム株式会社 小林 展久

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