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明大がリベンジ成功!1年生左腕・藤枝が初登板初先発初勝利!立大は優勝の可能性が消滅…【5/23 春季東京六大学野球 明治大学vs立教大学】

 5月23日、東京六大学野球春季リーグの第7週2日目が行われ、第2試合では明大が4対1で立大に勝利。これで立大の優勝の可能性がなくなり、慶大の3季ぶり38回目の優勝が確定した。

明大の1年生左腕・藤江がリーグ戦初登板初先発で5回3安打1失点。堂々たるマウンドさばきを披露した。

 前日の勝利で逆転優勝の望みを繋いだ立大と、前日の敗戦で優勝の可能性が消滅した明大の戦い。他力ながら引き分け以上で優勝の可能性が残る立大は、前日中継ぎ登板した栗尾勇摩(4年・山梨学院)が自身リーグ戦初先発。対する明大は、1年生左腕の藤江星河(1年・大阪桐蔭)がリーグ戦初登板初先発のマウンドに上った。

 試合の主導権を握ったのは「戦う気持ちがある子を選んだ結果」と、1年生4人がスタメン出場した明大だった。1回、2回は無得点に終わったが、3回表にヒットで出塁した2番・山田陸人(3年・桐光学園)が相手ワイルドピッチで2死ながら2塁に進むと、続く3番・丸山和郁(4年・前橋育英)がカウント1-1からの変化球を叩いて、センター前へ抜ける先制タイムリー。さらに5回表には、継投に入った立大投手陣から山田の四球、丸山の2塁打などで2死満塁のチャンスを作り、7番・宗山塁(1年・広陵)が右中間への2点タイムリー。さらに7番・直井宏路(1年・桐光学園))もタイムリーで続き、この回3点を奪ってリードを広げた。

 その間、明大先発の藤江が「初めての神宮で緊張はあったんですけど思い切り行きました」と立ち上がりから力強いピッチングを披露。「先発で行けるかなという不安はあったんですけど、今まで自分がやってきたことを信じて投げました」と2回までに4つの三振を奪うと、3回、4回も無失点。5回に1点を失ったが、5回を3安打1失点と上々のデビューを見せた。

明大の山田陸はこの日4打数2安打。チームメイトの陶山とで打率.500で並び、首位打者獲得が確実になった。

 リードを奪った明大は、6回からは継投に入り、ピンチを招きながらも得点を許さずに4対1のまま逃げ切り勝ち。1点差で敗れた前日の借りを返し、今カード1勝1敗。今季を6勝4敗の勝点6で終えた。

 また、試合前まで22打数11安打だった明大の山田陸が、この日4打数で2本のヒットを放ち、26打数13安打の打率.500。この日のスタメン出場を回避した明大・陶山勇軌(4年・常総学院)は40打数20安打の打率.500のままで「一番ベストな終わり方」と山田陸。早慶戦を残すのみとなり、2人同時での初の首位打者獲得が確実なものとなった。

 一方、敗れた立大は、計8安打を放ちながらも7回1死満塁、9回1死1、3塁のチャンスで無得点に終わり、5回に道原彗(3年・駒大苫小牧)のタイムリー3塁打で奪った1得点のみ。6勝3敗1分の勝点6.5で今季を終え、この時点で勝点7の慶大を上回ることはできずに優勝の可能性が消滅。2位という結果に「(慶大と)優勝争いの中での経験の差、力の発揮の仕方の差を埋めないといけない」と溝口智成監督。悔しさを秋で晴らすことを強く誓った。

立大は頼みの4番・東が4打数無安打3三振。チーム全体では計8安打を放ったが1得点に終わり、逆転優勝の可能性が消滅した。

■明治大vs立教大2回戦
明大 001 030 000=4
立大 000 010 000=1
【明】○藤江、西城、石原、髙橋-横山
【立】●栗尾、野口、荘司、石元、小幡、池田陽、宮-黒岩

◎明治大・田中武宏監督
「こういう試合ができるんですから、昨日の1球がなおさら悔いが残ります。(1年生4人をスタメン起用し)戦う気持ちがある子を選んだ結果です。(1年生が活躍して)2年生以上にだらしないのがいっぱいいるなと改めて感じました。藤江はずっとブルペン待機が続いていて、本人が投げたがっていたのは分かっていた。四球とかでバタバタすることは普段からない。思った通りのピッチングをしてくれた」

◎明治大・藤江星河(1年・大阪桐蔭)
「初めての神宮で緊張はあったんですけど思い切り行きました。(自分の)勝利とかは考えていなかった。チームの勝利に貢献することができたことはすごい良かったです。先発で行けるかなという不安はあったんですけど、今まで自分がやってきたことを信じて投げました」

◎明治大・山田陸人(3年・桐光学園)
「1球1球に集中して、食らい付いて行こうと思って打席に入りました。(首位打者は)片隅には入れていましたけど、チームが勝つことだけを考えて試合に臨んだ。陶山さんと話をした中で言っていた通り、一番ベストな終わり方(2人同率での首位打者)になった」

◎立教大・溝口智成監督
「ディフェンス面で言うと、4回から6回までをどう乗り切ろうかと思っていたが、そこを乗り切れなかった。1回以来、ずっとヒットを打たれて、流れが大事な野球の中で攻撃のリズムを掴めず、劣勢の感じがずっとあった。今季の投手陣を10試合トータルで振り返って、エース不在のスタートからすると、よく頑張ったなということが言えますが、今日の最後の試合、そして優勝がかかった試合(慶大戦)を振り返ると、やっぱり投手力の課題は浮き彫りになった。頑張ったなとは思いますが、そこは詰めていかないといけないポイントだと思います。対慶應というところでは10連敗しているので、思い出すと今でも悔しい気持ちが出てくる。優勝争いの中での経験の差、力の発揮の仕方の差を埋めないといけない」

◎立教大・太田英毅(4年・智辯学園)
「野手がリズムを作って行こうと思っていましたけど、なかなかうまくいかなかった。今日勝たないと今までの試合が意味のないものになるということは全員に言ってきた。今までにない悔しさというものを感じましたし、これを原動力として秋に向かいたい。」