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ドラフト候補の大型左腕・山下輝のリーグ戦初完投で法大が雪辱果たす!【5/9 春季東京六大学野球 法政大学vs明治大学】

 2021年5月9日、東京六大学野球春季リーグの第5週2日目が行われ、法大が明大を6対2で下し前日の雪辱を果たした。

「すごく嬉しいです」と初完投に表情を緩ませた山下

 試合前から優勝の可能性が無くなっていた法大だったが投打が噛み合う快勝で意地を見せた。

 打線ではこれまで不振に喘いでいた選手たちが強力な援護点を奪った。2回、試合前まで打率.130だった海﨑雄太(3年・埼玉栄)が逆方向のレフトへ二塁打を放って先制に成功すると、5回には同じく打率.231と低調だった岡田悠希(4年・龍谷大平安)がバックスクリーンに飛び込む豪快な今季第1号本塁打を放つなど、9回までに6点を奪った。

 岡田の一発に「やっと打ってくれたなと思いました」と笑った山下は、内野安打と味方の失策の2失点のみに抑えてリーグ戦初完投。「中盤は上手く体力を温存させながら後半にギアをもう一度上げたのが上手く行きました」と自身も納得の表情。ストレートもこの日最速151キロを記録し、身長188センチの大型左腕は「早大戦の前から修正したフォームが良くなっています」と手応え十分といった様子だ。
投打が噛み合っての勝利に加藤重雄監督は「走攻守で上手くいきました」と笑顔を見せた。

 一方、明大は先発の髙橋聖人(4年・小諸商)4失点で5回途中にノックアウトされたのが誤算。田中武宏監督は「企業チームからも注目される球を下級生時から投げているのに、普段の好青年通り相手にとってもイイ人になってしまっている」と歯痒さを明かし奮起を促した。
また、打線もわずか2得点に終わって、丸山和郁主将は悔しさを滲ませながらも「明治としての戦いを勝ちにこだわってやっていきたいです」と前を向いた。

 4月25日から無観客試合で開催されていたが、次週の5月15日からは5000人を上限に有観客開催が再開される。熱を帯びる優勝争いや各校の対抗戦としての負けられない気持ちがぶつかる試合は、久々に球場へ足を運んだファンに多くの感動を与えることだろう。

バックスクリーンへ今季第1号本塁打を放った岡田

■法政大vs明治大2回戦
法大 010130010=6
明大 000020000=2
【法】○山下輝-大柿
【明】●高橋、米原、磯村、石原、渡部翔-植田
本塁打:法大・岡田(5回ソロ)

打撃不振に苦しんでいた海﨑の先制打がチームに流れを呼び込んだ



文・写真=高木遊