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プロ野球

当会『日本プロ野球選手会』が「HEROs AWARD 2020」を受賞しました。コロナ基金の“スピード感”と“結果”を高く評価されての受賞となりました。

アスリートの社会貢献活動を表彰する「HEROs AWARD 2020」が12月21日に東京・港区の日本財団ビルで開催され、『新型コロナウイルス感染拡大防止基金への寄付』並びに『ドナルド・マクドナルド・ハウス支援』などを行った当会・日本プロ野球選手会が「チーム・リーグ賞」として表彰されました。

当会は今年、シーズン開幕延期という事態に追い込まれる中、4月3日にクラウドファンディングサービスを利用した「新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金」(通称コロナ基金)をスタートしました。炭谷銀仁朗会長からの呼びかけに12球団の選手会会長が呼応し、さらに全プロ野球選手がSNSを通じて発信して多くのファンを巻き込んだムーブメントとなりました。その結果、クラウドファンディングサービス国内史上最高額となる8億円を超える寄付金が集まり、新型コロナウイルス感染症拡大防止に取り組む施設・団体等の支援が実現しました。同時に、ドナルド・マクドナルド・ハウスの運営支援として、寄付や物資支援、訪問などの活動も行ってきました事が高く評価され、今回の受賞となりました。

審査員の一人でプレゼンターを務めた松田裕雄氏雄(筑波大学客員准教授(国際産学連携本部)、株式会社Waisportsジャパン代表)は、今回の選手会の活動を称えながら、「意思決定、行動、結果までのスピード感。これは70年を超える選手会(現選手会では35年)の一つの成果だと思います。諸先輩方の諸活動が、今年の危機的状況の中で741名の行動により、8億を超える寄付へ繋がったことは非常に素晴らしい」と受賞理由を説明し、「選手にとっても極めて意義のある活動だったと思います。選手の方々が、様々な境遇を抱えた、いろいろな生き方の人に触れて、自身の新しい生き方に繋がる。最終的には自身の競技力向上にもつながる」と参加した選手たちの活動を通しての今後の多面的な成長にも言及しました。

この日、日本プロ野球選手会を代表して登壇した炭谷銀仁朗会長は、「素直にうれしく思います。選手みんなでやってきたことが、こうやって評価していただいて、大変光栄に思います」と感謝の言葉を述べ、活動の初段階で「全選手がすぐに賛同してくれた。早くやりましょうという返事が返ってきた」と明かし、「今後も多くの選手で活動に取り組めればと思います」と社会貢献活動の継続を約束しました。

2017年に創設された「HEROs Sportsmanship for the future」プロジェクトは、アスリートによる社会貢献活動を促進することで、スポーツでつながる多くの方の関心や行動を生み出し、社会課題解決の和を広げていくことを目的とし、表彰式は今年で4度目の開催となりました。日本プロ野球選手会の他にも、一般社団法人センターポールの『学校・企業向け障がい理解講習及びパラアスリート競技支援』、プロゴルファー・有村智恵の『智恵サンタ他』、プロサッカー選手・本田圭佑の『AFRICA DREAM SOCCER TOUR supported by SHOWA GLOVE』の各プロジェクトが表彰されました。

日本財団の笹川陽平会長は「多くの人に憧れられるアスリートが社会貢献することによって、国民一人一人が助け、助けられる相互扶助の社会を作っていきたい」と語りました。野球界からは過去に、2017年に鳥谷敬『RED BIRD Project』、2018年に赤星憲広『Ring of Red〜赤星憲広の輪を広げる基金〜』の個人プロジェクトが受賞した例がありますが、今回の選手全員を対象とした日本プロ野球選手会の受賞で、選手たちによる社会貢献活動がさらに活発となり、さらに大きく発展して行くことが期待されています。

■日本プロ野球選手会 炭谷銀仁朗会長 受賞コメント

「私たち日本プロ野球選手会は、選手の地位向上や環境の整備、未来の選手のためにプロ野球が魅力ある存在であり続けるための活動や野球振興への取り組みを行っています。また、選手のアイデアを生かしたファンコミュニケーションや、ファンの方々やメディアから注目を浴び続けているプロ野球選手だからこそ、メッセージを発したり、行動することで社会に貢献できることがあるのではないかという観点からの活動も増えています。2020 年は、誰もが予測しなかった出来事で、私たち選手も含めて、今までの当たり前は一変しました。先が予測できない、何が正解かわからない部分も多かった中で、明らかに確実だったことは、この状況の最前線で戦っている医療機関の方々を応援することが最優先だということでした。「新型コロナウイルス感染症:拡大防止基金」の活動によって、評価をいただいたことは有難いことだと受け止めていますが、まだまだこの感染症の終息は見えません。また、医療機関の方々が疲弊したり、治療行為を通じて感染された方と接しているというだけで、言われなき中傷を受けるといった心の痛むニュースも耳にします。私たち選手は、今後も医療機関の方々の献身的努力に敬意を払うという気持ちを忘れずに、できることを引き続き考え、行動していきたいと思います」