毎年、プロ野球シーズンの最後を彩る年間表彰式。コロナ禍の今年も『NPB AWARDS 2020 supported by リポビタンＤ』（主催：一般社団法人日本野球機構、特別協賛社：大正製薬株式会社）として12月17日に開催される。

　この晴れ舞台を前に、「現役アスリート〇〇さんが選ぶ2020プロ野球AWARDS」として、絶対的な強さと美しさを誇る格闘家・RENAさんに緊急インタビュー。自身にとっての今年1年と野球との関わりを振り返ってもらいつつ、私的な今季の『MVP』＆『○○賞』を選んでもらった。

■「阪神が優勝すると、いろんな物が安くなる」

――女子格闘家として、これまで「RIZIN」（総合格闘技）とシュートボクシングのリングで激戦を繰り広げてきたRENAさんですが、野球経験はあるのですか？

RENA　野球はないんですけど、小学生の頃にソフトボールを2、3カ月ぐらいですけど、やっていた時がありました。土、日に練習があったんですけど、朝が苦手過ぎて…、すぐに辞めてしまったんですけど（苦笑）。

　とにかく野球は、格闘技と比べて競技人口がすごく多いですし、小さい頃から激しい競争を勝ち上がって、プロまで上り詰めた選手というのは、やっぱりすごいと思いますね。

――子供の頃に好きだったチームは？ 今も球場に野球を見に行ったりはしますか？

RENA　大阪出身なんで、やっぱり阪神の試合はよく見てましたね。阪神が優勝すると、いろんな物が安くなる（笑）。カラオケとかもめっちゃ安くなったりするので、そういう理由もあって阪神を応援してましたね。

　大人になってからは、女子野球の片岡安祐美さんとか、六角彩子（女子野球選手）、稲村亜美（タレント）とかとすごく仲が良くて、一緒に神宮球場に野球を観に行ったりはしました。今年はコロナもあって観に行けなかったんですけど…。

――仰ったように、今年は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた1年でした。野球界も異例のシーズンになったのですが、RENAさん自身の生活にもいろいろな変化があったのではないかと思いますが？

RENA　そうですね。非常事態宣言が出た2ヶ月ぐらいはジムが完全に閉まっている状態だったので、本当に何もできず家にいて、家の中でできるトレーニングをするしかなかったですね。格闘技はコンタクトスポーツなので、どうしても対人練習が多くて、人との距離を取ることができない。だから、マスクから、消毒から、すべてを徹底して、それまでの日常とはすべてが変わったなと思いますね。

――その中で新しく始めたことだったり、新しく買ったものだったりはありますか？

RENA　え〜と…、あれです！ テレビの横に挿して、何でも観れるようになるやつ（Amazon Fire TV Stick）。あれを買いました。あれがあると、もう何でも観れるようになって、昨日からはディズニーチャンネルも観れるようにしました。

　どうしても家にいる時間が長くなったので、テレビを付けている時間が長くなりましたね。野球もすごく詳しいというわけじゃないんですけど、スポーツニュースで今日はどこが勝ったとか、試合のハイライト映像とかを観たりしていました。

■「ノムさんを好きな立場からすると」

――RENAさんと野球界との関わりで言えば、2017年にロッテのマリンスタジアムで始球式を務めたと思いますが？

RENA　はい！ やらせてもらいました！ とにかくすごい緊張して…、練習の時はキャッチャーまで届いたんですけど、いざあのマウンドに立つとぜんぜんダメでしたね。ワンバウンドしちゃいました（苦笑）。でも、その時に投げたボールは今も家に飾ってあるんですけど、ワンバウンドしたからこその土が付いているので、それはそれで特別感があるので良かったかなと思います。

――実際に野球のマウンドに立った時の景色、雰囲気はどんなものでしたか？

RENA　やっぱり外から見ているのと、実際に立つのとでは全然違いましたね。空気も違うし、視野というか、広さの感覚だったりも違う。正直、キャッチャーのミットまで投げるのも簡単だと思っていたんですけど、マウンドから見るとめちゃくちゃ遠い（苦笑）。球場もめちゃくちゃ広いし、何万人というお客さんが見ている中でストライクを投げる難しさっていうのを肌で感じましたね。ホント、マウンドに立った時の緊張感が半端なかったです。

――そういう経験もされてきたRENAさんですが、今季のプロ野球のMVPを選ぶとすれば誰になりますか？

RENA　候補がいっぱいいるんですよね。まず甲斐拓也選手。野村監督（克也氏、今年2月に急逝）の背番号19を背負って、日本シリーズでもホームラン！ その次は栗原（陵矢）選手。日本シリーズで打ちまくって大活躍！ あと坂本（勇人）選手。史上2番目の若さで2000安打達成！ そういう情報を掴んでいます（笑）。

　でも、一人だけを選ぶなら甲斐選手かな。私、野村監督が好きだったんです。テレビでのいろんなボヤきが面白かったですし、今でもツイッターでノムさんの名言集に登録していて、定期的に上がって来るのを見ているんです。だから、ノムさんを好きな立場からすると是非、甲斐選手にMVPを贈りたいです！

――野村監督の言葉というのは、野球選手意外にも、一般の人たちにも、他の競技のアスリートにも響くものがあるだろうと思いますが？

RENA　そうですね。それは本当にそう思います。そこまで野球に詳しくなくても、心に響きますね。ノムさんの好きな言葉はいろいろありますね。いまパッと出てくるのでは、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」だったり、「プロフェッショナルの“プロ”は、プロセスの“プロ”」だったり。自分が練習でしんどい時、辛い時に、そういう言葉を目にすると、“ハッ”となります。

■「あのスピードには憧れますね」

――格闘家から見て、格闘技と野球の共通点みたいなものはあったりしますか？

RENA　共通点は…、パンチの打ち方ですかね。パンチを打つ時の腰の使い方って、バット振る時の仕草と似ている部分がある。実際にパンチの練習の中で、「野球のバットを振るみたいに！」って指導してもらったこともあります。なので、ホームランバッターの人は、ストレート系のパンチはかなり強いと思いますよ。基本的に野球選手は身長が高い人が多いですし、ガタイのいい人も多いので、格闘技をやってもかなり強いと思います。

　清宮（幸太郎）選手とジムで一緒になった時があったんですけど、その時もすごいなと思いましたし、今話題の新庄（剛志）さんも、運動神経の塊ですから、格闘技をやってもかなり強いと思います。私がどこかの球団の人だったら、絶対に新庄さんは獲るんですけどね…。絶対盛り上がるじゃないですか！

――新庄さんのトライアウト参加など、コロナ禍の中でもいろいろと話題があったプロ野球界ですけど、MVP賞以外で、RENAさんが賞を贈りたい選手は？

RENA　実は私、めっちゃ走るのが遅いんです。走るのが嫌いだし、遅いんですよ。長距離も短距離も…。そういう自分からして見ると、周東（佑京）選手ですね。むちゃくっちゃ走ったじゃないですか。もう、すごいですよね。なので、『憧れましたで賞』を贈りたいです！ 私も盗塁をしてみたいですけど、絶対にアウトになる自信しかない（苦笑）

――スライディングは得意だと思うので、ギリギリのタイミングだとセーフにできそうですが？

RENA　できますかねぇ〜（笑）。挑戦してみたいですけど、なんか自分の足を挫いて終わりそうです（苦笑）。とにかく周東選手の、あのスピードには憧れますね。それと、梶谷（隆幸）選手にも賞を贈りたい。以前、（片岡）安祐美さんと小林公太さんの結婚式の時にご一緒させてもらって、それから梶谷さんが活躍してニュースに出たりすると「すごいな」って思っていました。

　特に今年は調子が良くて大活躍。来年からは巨人に移籍するということなので、さらに注目したいですね。賞に名前を付けるなら『刺激を受けたで賞』ですね！ これまで怪我もたくさんされていて、そこからの復活ですし、知っている人が頑張っているのを見ると嬉しくなりますし、刺激を受けますね。

――今年のプロ野球の行事も年間表彰式を残すのみとなり、また来年へ向けた戦いが始まります。2021年、RENAさんはどんな1年にしたいですか？

RENA　私もアスリートとして、格闘家として、スポーツ業界を盛り上げたいなというふうに思っています。来年、五輪がどうなるかがわからない部分はありますけど、例年だと五輪シーズンは格闘技の話題が少なくなってしまう傾向にある。格闘家として、五輪にも、そしてプロ野球の盛り上がりにも負けないように頑張りたい。そしてまた、スタンドが満員になっている球場の雰囲気を味わいたいですね！

――RENAさん、本日はありがとうございました。

RENA　ありがとうございました！

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