11月1日、東京六大学秋季リーグの第7週2日目が行われ、第1試合では明大が竹田祐（3年・履正社）からDeNAドラフト1位指名右腕・入江大生（4年・作新学院）の継投で4対1と逃げ切り。2位の可能性も残す6勝2敗2分け（勝ち点7）で今季の全日程を終えた。一方、東大は善戦も多かった1分9敗（勝ち点0.5）と勝利には届かなかった。

来季は入江に続くプロ入りやエース継承が期待される竹田が好投を見せた

東大・井手峻監督が「今日は完投させたいと思っていました」と話す井澤駿介（2年・札幌南）の粘りの投球を前に、明大は思うように得点を積み重ねることはできず。それだけに、来季のエース候補と現エースが好投し最終戦で勝利を飾った。
先発のマウンドに上がった竹田は「4年生最後の試合なので思いきって投げようと思いました」とテンポの良い投球でアウトを積み重ねた。打線も1回2回と好機を生かせなかったが、３回に2アウトからの飛球で全力疾走を怠らなかった一塁走者の主将・公家響（4年・横浜）が相手外野手の落球（記録は安打）を見逃さずに生還を果たして先制。続く植田理久都（3年・高松商）も適時打を放ち2点目を奪った。
７回2死まで1人の走者も許さなかった竹田は東大の石元悠一（4年・湘南）の本塁打で1点こそ失うが後続を抑えて８回まで試合を作った。打線も終盤にしぶとく得点して3点リードで最終回を迎えた。

ここでマウンドに上がったのは前日の先発に続く連投となった入江。大学最後の登板とあって「いろんなことを考えていたらストライクが入らずに焦りました」と苦笑いで振り返るものの後続を抑えて試合終了。応援席に挨拶を終えてベンチに戻ると思わず涙をこぼした。「最後だと思うと寂しいですね。もっと長くやりたかった」ですと語った。
また、後継者と目される竹田については「彼がエースナンバーである明治の11番を着けることになれば自ずとチームも勝てるようになると思います」と期待を込めた。

「人間的に大きく成長できました」と入江は4年間を振り返る

飛球が上がった後でも全力疾走を怠らなかった主将の公家が先制の生還を果たした

■東京大vs明治大2回戦
東大 000000100=1
明大 00200011X=4
【東】●井澤-松岡泰
【明】○竹田、入江-植田
本塁打：石元（７回ソロ）

◎東大・笠原健吾主将（4年・湘南）
「側から見れば“あと一歩”という試合もいくつかあったかもしれませんが、プレーしている身からすれば、まだまだ勝利には距離があると感じました。後輩には今年の春秋15試合で感じたことを生かして勝ってもらえればと思います」

文・写真＝高木遊