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社会人野球

制球の不安を補う力強い球を持つ剛腕・伊藤優輔(三菱パワー)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 社会人編】

伊藤 優輔(いとう・ゆうすけ) ●守備 投手 ●身長・体重 178cm・77kg ●生年月日1997年1月14日 ●所属 三菱パワー ●球歴 都立小山台高校 → 中央大学 → 三菱パワー ●出身地 東京都 ●投打 右右

伊藤 優輔(いとう・ゆうすけ)
●守備 投手 ●身長・体重 178cm・77kg
●生年月日1997年1月14日 ●所属 三菱パワー
●球歴 都立小山台高校 → 中央大学 → 三菱パワー
●出身地 東京都 ●投打 右右

昨年のドラフト会議では160キロを超えるストレートを投げ込む佐々木朗希(大船渡高→ロッテ1位)が話題となった。今年はそこまでの球を投げ込む投手はいないものの、最速155キロを誇る剛腕がいる。伊藤優輔(三菱パワー)である。

伊藤は都立小山台高時代から都立雪谷高の鈴木優(現オリックス)とともに「都立の星」として、その名を轟かせていた存在だった。21世紀枠として出場した2014年春の甲子園では初戦で履正社高に0-11で大敗したものの、中山翔太(現ヤクルト)から3打席連続三振を奪っている。高校時代から大器の片鱗は見せていた。

その後、プロ志望届は提出せずに中央大へと進学する。1年時から起用されるも、骨折で戦列を離れていた時期もあり、4年間でベストナインやタイトルを獲得することはできなかった。

しかし、4年秋のリーグ戦では先発、中継ぎの両役割で6試合に登板。チーム最多の3勝を挙げ、防御率1.53とリーグ3位の成績を残した。35.1回で22四球と制球に難があったのは事実だが、東洋大戦では梅津晃大(現中日)、藤井聖(現ENEOS)、甲斐野央(現ソフトバンク)のリレーに9回1失点、5四球を与えながらも1人で投げ勝った実績もある。

ここでも伊藤はプロ志望届を提出せずに三菱日立パワーシステムズ(現三菱パワー)へと入社する。入社1年目から日本選手権のマウンドに立ち、3試合(4.2回)の中継ぎ登板で7奪三振、そして防御率0.00と結果を残した。

2年目の今年は先発として起用され、最速も150キロを超えた。9月16日に行われた都市対抗野球の予選(ENEOS戦)では、5回3失点(101球)と内容はいまひとつだったものの、151キロを計測している。オープン戦では155キロも計測されたという。大学時代と比べ最大出力が高まっているのは明らかだ。

とはいえ、制球面の不安があるのは事実。しかし140キロ台後半から150キロ前後のストレートにカットボール、フォーク、スライダーといった変化球も織り交ぜながら、力でねじ伏せることができるのは貴重な存在だ。また、中央大進学以降は中継ぎと先発の両役割で起用されてきたことも、ひとつの強みと言えるだろう。

制球の乱れを補う力強い投球で、プロの世界に飛び込む準備はできている。