BASEBALL GATE

大学野球

ドラフト1位指名競合確実!主将として進化を遂げた大エース 早川隆久(早稲田大)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 大学生編】

【早川隆久写真】 早川隆久(はやかわ・たかひさ) ●守備 投手●身長・体重 179cm・72kg ●生年月日 1998年7月6日●所属 早稲田大 ●球歴 木更津総合高→早稲田大●出身地 千葉県●投打 左左

【早川隆久写真】
早川隆久(はやかわ・たかひさ)
●守備 投手●身長・体重 179cm・72kg
●生年月日 1998年7月6日●所属 早稲田大
●球歴 木更津総合高→早稲田大●出身地 千葉県●投打 左左

 既に地元・千葉に本拠地を置くロッテが1位指名を明言している即戦力候補左腕。昨年までは勝ちきれない投球もあったが、今年は伝統ある「早稲田の10番」(主将の背番号)を背負い、心身両面で大きな進化を遂げている。

 千葉県横芝光町で生まれ育ち、木更津総合高校時代は甲子園に3度導き計5勝。3年時には春夏連続で甲子園8強入りし侍ジャパンU-18代表にも選出された。当時でもプロ志望届を出せばプロ入りの可能性は高かったが、地力をつけてからのプロ入りを目指して大学に進学した。

 早稲田大では1年春から登板を重ねたが、3年秋までは計7勝とその能力からすると物足りない成績が続いていた。それでも今年、主将となると小宮山悟監督が「4年生になってこんなに成長するんだと思いました。どこに出しても恥ずかしくない選手になりました」と話すほど心身両面で大きな進化を遂げた。

 8月に延期された春季リーグでは、チーム開幕戦となった明治大戦で初回から自己最速となる155キロを計測。1失点でリーグ戦初完投勝利を挙げた。さらに秋季リーグ開幕戦でも明治大から17三振を奪って1失点の完投勝利を挙げると、前半戦の大きな山場となる法政大戦では鈴木昭汰(法政大)との投げ合いを制してリーグ戦初完封を挙げた。さらに翌日の2回戦でも8回1死満塁の場面から登板して後続を抑えて引き分けに持ち込んだ。

 投球以外でも「主将としてチームの鑑になるということは常に考えている」と全力疾走を怠らず、相手の隙を突いて果敢に次の塁を狙う姿勢を見せている。

 そして要所での勝負強さも抜群。試合終盤でも150キロ前後の球を投じ、小宮山監督は「140キロ台後半で球速が落ちたなんて言われてね。生まれ変わったら早川に生まれ変わりたいです」と笑う。さらにカットボール、ツーシーム、チェンジアップ、スライダーといった変化球もキレ・制球ともにアマ球界ではトップと言っても過言ではないほどだ。

 重圧をこんなにも力にできるのかと思い知らせ、自身の価値を高め続けている1年。10月26日にどこの球団が早川の「交渉権確定」のクジを引き当て、11月8日に最後の早慶戦を終えた後チームにどんな結果をもたらすのか。楽しみの尽きない秋が続いていく。
 

文・写真=高木遊