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早大が初回3点先制も明大が必死の追い上げ!両校譲らず引き分け0.5ポイント!【9/20 秋季東京六大学野球 早稲田大学vs明治大学】

 東京六大学野球秋季リーグ第1週の第2戦が9月20日に行われ、早大と明大が対戦した第1試合は、接戦の末に3対3の引き分け。新型コロナウイルスの感染拡大防止のための特別規則(各校10試合の勝点制)により、両校に0.5ポイントずつが与えられた。

初回に先制3ランを放った早大・丸山。小宮山監督もその打力を買っている

 早大の完勝(7対1)から一夜明けたこの日、早大はリーグ戦通算5勝(3敗、防御率2.85)を挙げている西垣雅矢(3年・報徳学園)が先発。対する明大は、今春にリーグ戦初勝利を挙げた髙橋聖人(3年・小諸商)が先発。前日に続いて、両校の応援団が外野席に陣取った中での試合開始となった。
 初回、早大が2四球で2死1、3塁のチャンスを掴むと、小宮山悟監督が「守りは下手くそ。でもそれをカバーするだけの打力がある」と評価する5番・丸山壮史(3年・広陵)がカウント2-1から「狙っていた」という内角高めのストレートを叩き、ライトスタンドへ自身リーグ戦初本塁打となる先制3ラン。投げては先発の西垣が、初回三者凡退の後、2回から3イニング連続で先頭打者にヒットを許しながらも後続を抑え、早大が4回を終えて3対0と優位な形で試合を進めた。
 しかし、ここから明大が追い上げる。5回裏、1死から8番・西山虎太郎(2年・履正社)が3塁打を放つと、2死後に1番・藤江康太(4年・千葉黎明)がライト前タイムリー。「非常に悪い流れになった中、まず1点を取れたのが大きかった。入江を最後に投げさせると言っていたので、その安心感がチームの中にあったのではと思う」とは田中武宏監督。ベンチに活気が戻ると、続く6回裏に5番・植田理久都(3年・高松商)が、この回から代わった早大2番手の森田直哉(3年・早稲田佐賀)からリーグ戦初本塁打となるソロアーチを放って1点差とすると、さらに7回裏に2死3塁から前日2安打の2番・西川黎(1年・履正社)が同点タイムリーを放ち、ついに3対3の同点に追いついた。

連投となった明大のエース・入江。前日の5回6失点から「人格を変えた」マウンドで2イニングをピシャリと締めた

そして8回表からは、第1戦に先発した明大の入江大生(4年・作新学院)が2日連続のマウンドに上へ。前日は5回7安打6失点と打ち込まれたが、この日は「ここで点を取られたら明治の11番を返そうと思って、絶対に点を取られないぞという気持ちでマウンドに上がった」という気迫で2イニングを1安打無失点に抑えた。
対する早大も、終盤に柴田迅(4年・早大学院)、徳山壮磨(3年・大阪桐蔭)と投手をつぎ込み、逆転は許さず。「9回終了時点で同点の場合は引分」という今季の特別規則によって試合終了。早大が1勝1分けで第1週を終え、明大は次週につながる0.5ポイントを手にした。

■早稲田大vs明治大
早大 300 000 000=3
明大 000 011 100=3
【早】西垣、森田直、山下、柴田、徳山-岩本
【明】髙橋、竹田、磯村、入江-篠原
本塁打:早稲田大・丸山《1回3ラン》、明治大・植田《6回ソロ》

◎早稲田大・小宮山悟監督
「継投は予定通り。完璧な投球を期待して送り出してはいますけど、学生なのでそれもできない。ドローでとりあえずは、という感じですね。リードしている展開がずっと続いていたので、そこであと1本出ていればというのはやっている選手たちが一番わかっている。今季は10戦全勝で終わらせるつもりでいたので、引き分けでの0.5ポイントいうのは肩透かしかな。選手たちには『1勝1敗は負けに等しい!』と言ってきたんですけど、1勝1分けについては言っていなかった…。(先制3ランの丸山は)今日の3ランもそうですが、昨日のタイムリーも大きかった。申し分ない働きをしてくれている。ファーストというポジションは本人にとっては不本意かもしれないけど、文句を言わずにコンバートを承諾してくれた。ベストナインを獲らしてあげたい」

◎早稲田大・丸山壮史(3年・広陵)
「(初回先制3ランは)2アウトだったので、ボールを叩いて3塁ランナーを還そう、何としても1点取るんだという気持ちで打席に入った。打ったのは真っ直ぐ。まさか入るとは思わなかった。バッティングカウントだったので、真っ直ぐを狙って思い切っていった。やっと掴んだチャンスなので、今は必死にやっています」

◎明治大・田中武宏監督
「立ち上がりにホームランで3点ビハインドというのは予想していなかった。非常に悪い流れになった中、まず1点を取れたのが大きかった。入江を最後に投げさせると言っていたので、その安心感がチームの中にあったのではと思う。入江はビハインドの展開でも投げさせようと思っていた。昨日は入れ込みすぎて周りが見えなかったが、今日はマウンドの上で私と何回も目があった。同じ151キロでも違うなと感じました」

◎明治大・入江大生(4年・作新学院)
「(自分が)投げる展開にチームのみんなが持ってきてくれた。ここで点を取られたら明治の11番を返そうと思って、絶対に点を取られないぞという気持ちでマウンドに上がった。昨日からはセットポジションのフォームを修正した。でもそれよりも気持ち。昨日も言いましたけど、今日は人格を変えていこうと思った。また違った自分を来週以降も見せられたらと思います」