BASEBALL GATE

Future Heroes

Future Heroes

ドラフト指名漏れから心機一転 母校の夢を背負う最速151キロの大型右腕・馬場康一郎(シティライト岡山)【Future HeroesVol.27】

-Future Heroes 一覧はこちら-

 今夏、社会人野球最高峰の舞台である都市対抗野球大会に初出場を果たしたシティライト岡山。リリーフの一角に食い込み、投手陣の屋台骨を支えていたのが、入社1年目の本格派右腕・馬場康一郎だ。馬場は、来年に控えているドラフト解禁に向け、2年目の来季のみならず、このルーキーイヤーを「勝負の年」と位置付けているという。

馬場康一郎(ばば・こういちろう)・・・1997年1月29日生まれ。長崎県諫早市出身。飯森中(軟式)→諫早高→福岡大。186cm87㎏。右投右打。投手。

【馬場康一郎(ばば・こういちろう)・・・1997年1月29日生まれ。長崎県諫早市出身。飯森中(軟式)→諫早高→福岡大。186cm87㎏。右投右打。投手。】

 2018年10月25日。プロ野球ドラフト会議が開催されたこの日、当時福岡大に在籍していた馬場康一郎は自分の名前が呼ばれる瞬間を待ちわびていた。

 福岡大4年の春から夏にかけて急成長した、身長186cmの大型右腕。アンバランスさとは無縁の滑らかな投球フォームから投げ下ろす直球は、昨年8月に自己最速の151キロをマーク。チームメートの左腕・秋山遼太郎(現・大阪ガス)の陰に隠れがちだったが、4年秋のリーグ戦で開幕投手を任せられるなど、一気にドラフト戦線に食い込んだ。調査書も届き指名の可能性は十分にあったが、ドラフト当日、馬場に吉報は届かなかった。

 大きな悔しさを味わったが、再びドラフト指名が解禁される「2年後」を目指す気持ちを固め、今春シティライト岡山硬式野球部に入部。新天地での練習がスタートした直後に、指揮官からある教えを受けた。馬場は言う。

「入社してすぐに桐山拓也監督から『2年後プロに行きたいなら、1年目が勝負だぞ』とアドバイスをいただきました。社会人選手の指名が解禁になる2年目にドラフトにかかろうと思ったら、1年目からどんどんスカウトにアピールしていかないといけない。この言葉を強く意識しています」

 ペースを上げて練習に打ち込んだ馬場は、4月に開催されたJABA岡山大会で公式戦デビューを果たす。大会2日目のNTT西日本との一戦でリリーフ登板し、最速147キロを計測。タイブレークにもつれ込んだ延長11回に自らの失策で勝ち越しを許すも、そこから連続三振で追加点を阻むなど、能力の一端を見せた。

 都市対抗2次予選ではリリーフとして3試合に登板し、無失点。桐山監督を「馬場と久保田(大智)の新人2人が想像以上に頑張ってくれた」と唸らせる働きぶりで、創部以来の悲願だった都市対抗初出場に貢献した。

 馬場には夢がある。それが、母校である諫早高初のプロ野球選手になることだ。

「出身の諫早高からは高卒だけでなく、大学、社会人出身も含めてプロ野球選手が出ていません。学校初のプロ野球選手に自分がなりたい、とずっと思っています」

 その夢に向けた大きなアピールチャンスでもある都市対抗本大会では、日本生命との2回戦の7回途中から大会初登板。しかし、3連打を浴びての3失点。1死も奪えずにマウンドを去った。

 指揮官から言われた「勝負の1年目」の締めくくりは、10月末に開幕する日本選手権。その出場権を懸けた予選が9月に行われる。もう一度アピールの場を掴み取るため、再びマウンドに立つ。

文・写真=井上幸太