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数字への抵抗をなくし、野球に詳しくなりたいという気持ちが大切――野球アナリストの仕事 【Baseball Job File vol.7】

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 プロ、アマを問わず野球界にかかわるさまざまな人々にスポットを当てる連載。今回は、野球を中心に多くのスポーツのデータを取り扱うデータスタジアム株式会社で、野球担当のアナリストとして活躍する佐藤優太さんに、データ分析に対する思いなどを聞いてみた。

データスタジアム株式会社の野球アナリスト佐藤優太(さとう・ゆうた)さん

データスタジアム株式会社の野球アナリスト佐藤優太(さとう・ゆうた)さん



楽天ファンになったことがアナリストへの第一歩

──野球データを扱うアナリストになりたいと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

佐藤 2015年2月に東北楽天ゴールデンイーグルスが、大学生を対象にした「データ分析コンテスト」を開催しました。小学生の頃から選手名鑑の巻末にある歴代タイトルホルダーを見るのが好きで、いろんなデータを自分なりにまとめることも趣味にしていたこともあり、応募してみようと思いました。

 そこで入賞したことで、データ分析の仕事がしたみたいと思い、データスタジアムでアルバイトをすることになったのがきっかけです。

── もともと楽天イーグルスのファンだったんですか?

佐藤 そうではなかったです。松井秀喜選手が50号を記録した2002年頃から野球に興味を持ったこともあり、最初は巨人戦をばかり見ていました。それでも、周りが巨人や西武ファンばかりでしたので、違う球団を応援したいという気持ちはずっと持っていました。

 そんなとき父親の出身地である宮城県に楽天イーグルスが誕生したので注目するようになったんです。楽天ファンになったのは、初のクライマックスシリーズ進出を決めた2009年だったと思います。

── もし、楽天が誕生していなかったら今の仕事にはついていないかもしれませんね。

佐藤 そうですね、楽天ファンじゃなかったらコンテストの存在も知らなかったでしょうから。好きな球団とやりたいことがマッチしたのはもちろんですが、運もよかったと思います(笑)。

インタビューを受けている佐藤優太さん

分析した成果がメディアで取り上げられるときが一番のやりがい

──趣味が高じて今の仕事についたわけですが、職業としてデータを扱うようになって変わったことはありますか?

佐藤 素直な気持ちを言えば、変わったことはないんです。趣味ではなく仕事ですので責任を伴う立場ということはわかっていますが、日々楽しく仕事に取り組めているので、趣味でデータ収集をしていたときと感覚に違いはないんです。

──膨大な量のデータから分析を行う立場として、一番注意していることは何ですか?

佐藤 間違ったデータを出したり、安易な発言をしたりしないということですね。データスタジアムの社員として仕事をいただいているわけですから、僕の一つのミスが会社の看板に泥を塗ってしまう可能性もある。

 だから根本となる数字が絶対に間違いがないかをしっかり確認したうえで、発言も含めてデータの解釈が間違っていないかという点を注意しています。

──野球のデータを扱うアナリストとしての一番のやりがいを教えてください。

佐藤 メディアの方から受けた依頼に関して、こちらが提出したものがテレビで放映されたり、雑誌や新聞などで掲載されたりするのを目にしたときにやりがいを感じます。

 依頼のテーマに沿ってデータを調べて自分なりの解釈を加えたものが、どう反映されているのか。それを自分の目で確かめられたときは、本当にうれしく思います。

より質の高い情報を提供するため、もっと野球を知りたい

──データ収集や分析を趣味にしている人も多いと思います。趣味を仕事に結びつけた佐藤さんだからこそ思う、野球のデータアナリストに必要な要素は何だと思いますか?

佐藤 野球についても知識を深めたいという気持ちと、数字に触れることへの抵抗がないことだと思います。あとは、常に新しいことが出てくる分野であるので、今ある常識がずっと続くわけではないことを素直に受け入れられるというもの大事ですね。

──佐藤さんはアルバイトから正社員になられていますが、データスタジアムではよくあることなのでしょうか?

佐藤 そうですね。データ分析をする上で、アルバイト時代に経験するデータの入力や収集は基礎中の基礎になります。

 データ分析をしたいといっても、数字が本当にあっているかという意識を持っていないとミスに繋がってしまう。ミスに気づける人になるためにも、データ入力の作業はとても役立つと思います。

── アナリストとして、今後どのように成長をしたいですか?

佐藤 もっと野球の知識を深めたいです。いろんな楽しみ方があるスポーツなので、すべてを網羅するのは大変ですが、まだまだ知らないことは本当に多い。

 メディアに出させていただく機会もあり、元プロ選手の話を聞いていると、“そういった視点もあるんだ”と思い知らされるんです。データを提供する側として、質の高い情報を提供するには野球をもっと知らなければいけないと感じています。

佐藤優太(さとう・ゆうた)さん野球のデータを分析している画像
▼プロフィール
佐藤優太(さとう・ゆうた)/1993年生まれ、東京都昭島市出身。小学生の頃から野球に関するデータに興味を持ち、趣味でデータ収集を始める。大学在学中に、東北楽天ゴールデンイーグルスが主催した「データ分析コンテスト」で入賞を果たす。これを機にデータスタジアム(株)でデータ入力のアルバイトとして働き2018年から正社員に。現在では、アナリストとしてデータ分析をはじめスポーツ新聞へのコラム寄稿など幅広く活躍している。

データスタジアム株式会社/2001年の設立以来、プロ野球・Jリーグ・ラグビーなどのデータを取得・蓄積・分析し、スポーツ団体やチーム・クラブ・選手に対して強化や戦術向上のためのソリューションの提供を行っている。また、ファンやメディアに対しても様々なデータやデータを活用・応用したエンターテインメントコンテンツを提供し、スポーツの新しい楽しみ方を提案している。

文・写真=松野友克