- 大学野球
2019.10.16 18:30
2019年ドラフト展望(大学生編)
■最大の注目は明治大・森下
今年の大学生にも有力なドラフト候補が多くひしめいている。しかし、目玉はなんといっても森下暢仁(明治大)だ。高校時代から注目を集めていたが、大学入学後に成長が加速。最速154キロのストレートに加え、鋭い変化球を自在に操る本格派右腕へと変貌を遂げた。
4年時の全日本大学野球選手権では、2試合連続完投勝利を収めてMVPを獲得。チームを38年ぶりとなる日本一に導き、大学No.1投手の座を確たるものとした。その完成度の高さゆえ即戦力の期待を受けており、重複指名も十分に予想される。
■森下に続く好投手たち
森下以外にも、注目の右腕が続々と名を連ねる。その筆頭の吉田大喜(日本体育大)は、糸を引くような直球が光る本格派。制球力も確かで、ゲームメーク力に優れる。同級生の北山比呂(日本体育大)も注目株。最速154キロを誇るパワーピッチャーで、4年春のリーグ戦では5勝を挙げて最優秀投手に輝いた。
続くのは、リーグ戦で圧倒的な結果を残す大西広樹(大阪商業大)と杉山晃基(創価大)の2人だ。大西は多彩な変化球を自在に操る技巧派で、4年春までに4度もリーグの最優秀投手に選出されている。一方、杉山は最速154キロの直球と多彩な変化球を操る右腕。今春までのリーグ戦で通算22勝1敗を記録しており、「負けない」投球を続けている。
特徴的なフォームの右腕にも面白い存在が並ぶ。津森宥紀(東北福祉大)は浮き上がるような直球が武器のサイドハンド。リリーフ適性も備えており、あらゆる起用を想定できるのも魅力だ。
スリークオーターの右腕では、スピードのあるクセ球を投げ込む伊勢大夢(明治大)や、常時140キロ台中盤の快速球を投げ込む村西良太(近畿大)が虎視眈々(たんたん)とプロ入りを狙う。
左腕では坂本裕哉(立命館大)の安定感が光る。ブレーキの利いた変化球をコントロール良く操り、打者に的を絞らせない。4年春のリーグ戦では防御率0.84を記録してMVPを受賞するなど、最終学年になって輝きを増している。
■三者三様の実力派捕手
野手の有力候補に目を移すと、大学生捕手3人が存在感を放っている。海野隆司(東海大)は二塁送球1秒8を切る強肩が魅力のキャッチャー。ワンバウンドのブロッキングにも優れており、鉄壁のディフェンスを見せる。リーグ戦の打率3割超えを3年の春から3季連続で達成するなど、確実性のある打撃も備える。
佐藤都志也(東洋大)は卓越したミート力が売りの捕手。2年春にはリーグ戦で打率.483を残し、首位打者に輝いた。またスピードや柔軟性も売りとしており、外野などキャッチャー以外のポジション起用にも応えられる。
そして、郡司裕也(慶応義塾大)は総合力の高さが際立つ捕手。守りでは視野の広さを生かしたクレバーなリードで投手の良さを引き出し、打撃では勝負強さを発揮してチームを勝利に導く。
このようにバラエティーに富んだ捕手がそろっていることも、今年の大学生ドラフト候補の特徴だろう。
■各リーグを代表する左の好打者たち
キャッチャー以外の野手候補を見渡すと、打撃に優れた左打者が豊富にそろう。勝俣翔貴(国際武道大)は高いバッティング技術を誇る注目のスラッガー。最終学年こそ故障に苦しむも、2年春から3年秋までのリーグ戦で4季連続打率.380以上のハイアベレージを記録した打棒は大学生屈指だ。
六大学野球リーグにも左打ちの逸材が集まっている。柳町達(慶応義塾大)は、正確なミート力で広角にヒットを打ち分ける巧打者。今春にはリーグ通算100安打を達成した。
2年春のリーグ戦で首位打者に輝いたスラッガー・加藤雅樹(早稲田大)や、走攻守すべてでスケールの大きさを感じさせる宇草孔基(法政大)への評価も高い。
他にも、東都大学野球2部リーグの歴代通算安打記録を更新した安打製造機・高部瑛斗(国士舘大)も指名を待ちわびる。
■異色の経歴を持つ左腕
最後に変わった経歴の選手を紹介する。高校時代はバレーボール部に所属し、大学から硬式野球を始めたサウスポー・松田亘哲(名古屋大)だ。主戦場である愛知大学野球3部リーグで実戦経験を積み、常人離れの速度で急成長。最速148キロを計測するまでレベルアップした直球は、各球団のスカウトをうならせている。果たして同大から初のプロ野球選手誕生となるだろうか、その動向にも注目が集まる。
※データは全て2019年10月7日終了時点
TBSテレビ「プロ野球ドラフト会議」番組公式サイト
http://www.tbs.co.jp/baseball-draft/