- 高校野球
2017.03.22 16:59
延長14回、珠玉の投手戦を制したのは滋賀学園
東海大市原望洋・金久保 優斗、218球の力投も涙
前日3月21日(火)は雨天順延となり、3月22日(水)に仕切り直しとなった「第89回選抜高校野球大会」。第2試合では昨秋近畿大会ベスト4・2年連続2回目の出場となる滋賀学園(滋賀)と、昨秋関東大会準優勝・7年ぶり2度目の出場となった東海大市原望洋(千葉)が対戦した。
延長14回に及ぶ大熱戦。その兆候は1回表・滋賀学園の攻撃にあった。東海大市原望洋の金久保 優斗(3年)を攻め、二死一・三塁を作ると、5番・知念 良智(3年・一塁手)が適時打。今大会最注目投手の1人である金久保から先制点を奪ったことで、試合は拮抗した展開へと入っていく。
その後、東海大市原望洋は金久保が立ち直り、テンポの良いピッチングでリズムを作ると3回裏に先頭打者の9番・鯨井 祥敬(3年・二塁手)の安打と1番・宍倉 貫太(3年・捕手)の犠打で作った一死二塁から2番・藤本 誠啓(3年)が右前に弾き返して同点に追いつく。4回表、滋賀学園が一死満塁から8番・棚原 孝太(3年・投手)が自らを助けるライト犠飛で再び試合をリードしても、東海大市原望洋は粘り強くついていく。5回裏には先頭打者・鯨井の死球を宍倉が送り、藤本が適時打を放つ3回裏のリプレイのような展開で再び同点に持ち込んだ。
6回以降は両投手が白熱した投手戦を繰り広げる。金久保は終盤になっても140キロを超し、14回には144キロを記録する驚異的なスタミナを披露。一方の棚原も持ち味の制球力、スライダーにカーブ、チェンジアップを使い、引けを取らない内容を見せた。
延長戦でもがっぷり四つの両校。その均衡が破れたのは14回表である。200球が近づき、さすがに疲労の色が隠せない金久保から2四球を選んだ滋賀学園は、一塁ゴロ、二塁悪送球の間についに勝ち越し。さらに1番の真藤 司(3年・中堅手)が適時打などで計4点。その裏を棚原が3人で締めた滋賀学園が熱戦を制した。東海大市原望洋・金久保は218球10奪三振、滋賀学園・棚原は192球12奪三振でいずれも14回完投。両投手の投げ合いは勝敗を超えて賞賛に値するものであった。
なお、勝利した滋賀学園は大会第7日(3月26日)第2試合に、この日の第1試合で創志学園(岡山)を6対3で破った福岡大大濠(福岡)と対戦する。