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2018.10.18 06:55
2018年ドラフト展望(各球団動向編)
■清宮クラスの“超目玉”は不在
昨年は、高校通算111本塁打を記録した清宮幸太郎(現・日本ハム)に7球団の指名が集まったドラフト会議。今年は飛び抜けた目玉選手はいないものの、投打に多くの逸材がそろっている。将来性豊かな高校生か、即戦力の大学生や社会人か、例年以上に各球団の戦略が色濃く反映されることになりそうだ。
■春夏連覇の大阪桐蔭高は4人指名も
最大の注目は、やはり春夏連覇を達成した大阪桐蔭高の選手たちだろう。根尾昂は走攻守に“投”を加えた“4拍子”がそろい、すでに1位指名を明言している中日をはじめ、日本ハムや巨人など複数の球団が食指を動かしている。スピードとパワーを高いレベルで兼ね備える外野手の藤原恭大も、同じく1位候補の筆頭株だ。投手では、エースの柿木蓮と大型左腕の横川凱もプロ志望届を提出しており、同一高校から歴代最多タイとなる4人のプロ野球選手が誕生する可能性もある。
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■高校は右投手と遊撃手が逸材ぞろい
高校生では、吉田輝星(金足農高)の名前も外せない。夏の甲子園ではチームを秋田県勢103年ぶりの決勝進出に導き、節目の100回大会に“金農旋風”を巻き起こした。同じく、聖地で躍動したのが渡邉勇太朗(浦和学院高)だ。長身から繰り出す快速球は、本人が憧れと語る大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)をほうふつとさせる。
野手に目を向けると、ショートに好選手がそろっている。小園海斗(報徳学園高)は俊足巧打の左打者で、2年時から侍ジャパンU-18代表のメンバーに選出された。増田陸(明秀日立高)は、積極果敢なフルスイングで高校通算34本塁打を放った強打者。太田椋(天理高)は、軽快なフットワークで広範囲の打球をさばく守備の名手だ。大阪桐蔭高の根尾も含め、それぞれに強みを持った彼らを獲得するのは、どの球団になるだろうか。
■好投手がひしめく大学・社会人
大学生で高い評価を得ているのが、東洋大の右腕トリオだ。上茶谷大河は、4年春にリーグ新記録となる1試合20奪三振を達成した本格派。甲斐野央は、最速159キロを誇るストレートが魅力の剛腕。梅津晃大は4年春の時点でリーグ戦未勝利ながら、ポテンシャルはNo.1の呼び声が高い。この3人と、侍ジャパン大学代表でも好投を見せた松本航(日本体育大)は、ほぼ全球団が1位候補にリストアップしているだろう。
社会人では、ともに大学時代から快速球で鳴らした齋藤友貴哉(Honda)と生田目翼(日本通運)の上位指名が有力だ。また、今年は全体的に左投手のドラフト候補が少ないだけに、補強選手として大阪ガスの都市対抗初優勝に貢献した高橋拓已(日本生命)や、阪神二軍との練習試合で好投を見せた富山凌雅(トヨタ自動車)が即戦力左腕の筆頭になりそうだ。
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■世代交代にマッチする即戦力外野手
大学生・社会人とも、野手の上位候補は外野手が多い。中でも、真っ先に名前が挙がるのが辰己涼介(立命館大)だ。持ち前の俊足と強肩に加え、4年春の時点でリーグ戦通算100安打を達成した打棒を兼ね備える。今年の都市対抗で橋戸賞と首位打者に輝いた近本光司(大阪ガス)や、侍ジャパン社会人代表で4番を務めた笹川晃平(東京ガス)も評価が高く、外野の選手層が薄い、あるいは世代交代を推し進めたいチームからの指名が有力視される。
今年も、チームと選手の運命を左右する重要な日が間もなくやってくる。10月25日に行われるドラフト会議で、いったいどのようなドラマが生まれるのだろうか。
※データはすべて2018年10月15日終了時点