BASEBALL GATE

プロ野球

【Baseball Gate Analysis】大胆な守備シフトは有効か

A

アメリカでは、打者の特徴に応じて内野陣の守備位置を大きく変えるのが一般的となっている。日本でも一部の打者に適用されることはあるが、球界全体に浸透しているとは言い難い。では、そのような守備シフトは本当に有効なのだろうか。打球性質をゴロ、ライナー、フライの3つに分けた時、内野手の守備位置が最も影響するのはゴロだと考えられる。ライナーは数が少なく、フライは滞空時間が長いためポジショニングがあまり関係ないからだ。性質別の打球方向を見ると、ゴロは左右打者ともに引っ張った打球が多く、逆方向は少ないことが分かる(表1,2)。

B

選手個人に注目すると、左打者でゴロ打球の左方向割合が最も低かったのはソフトバンク・柳田悠岐だった(表3)。同選手が打席に入った際には、遊撃手がセカンドベースの後ろを守り三遊間を大きく開けるチームもあるが、これは理にかなったシフトだと言えるだろう。一方、右打者ではヤクルト・山田哲人の数値が目を引く(表4)。ゴロ打球が右方向に飛ぶ割合はわずか7.4%で、この方向へのゴロ安打はほとんどなかった。柳田や山田のように顕著な傾向を持つ打者に対しては、思い切った守備シフトが力を発揮するのかもしれない。

※データはすべて2016年シーズン終了時点

文:データスタジアム