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社会人野球

人間性も賞賛される侍大学代表の主将。柳 裕也(明治大)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

柳裕也 やなぎ・ゆうや
横浜高→明治大
投手・右投右打・180センチ80キロ・1994年4月22日生(22歳)

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宮崎県都城市で野球を始めた柳裕也。小学校時代に志比田スポーツ少年団で野球を始めると小学6年時に全国大会に出場し、中学時代に所属していた都城リトルシニアでは、リトルシニアの日本代表として全米選手権でサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)を獲得した。そして、横浜高では甲子園に3度出場するなど、貴重な経験を多く積んできた。
 その経験は投球術にもしっかりと反映されている。140km/h台前半であっても空振りが奪えるキレのあるストレート(最速は150km/h)を軸に、縦に大きく割れるカーブなど変化球をも駆使して抜群の安定感を誇る。明治大では通算22勝(10月15日現在)を挙げながら、「調子の悪い時にもっと引き出しを作っておかなければいけない」と話すなど慢心は一切見当たらない。
 一方で、普段はその柔和な笑顔で誰とでも気さくに会話を交わすなど、その存在感の大きさはグラウンド内のみに留まらない。

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「努力し続ける能力がある子なので、今後も成長していくでしょう」
 柳裕也の人間性を明治大の善波達也監督は称賛する。その信頼の証が明治大では川上憲伸(元中日)以来となる19年ぶりの投手主将の誕生だ。そして柳は、主将としての重責さえも自らの力にして、今年1年さらなる成長を遂げた。
 春のリーグ戦では10試合に登板し6勝1敗防御率0.87という成績を残し、3季ぶりの王座奪還に大きく貢献。7月に行われた日米大学野球では侍ジャパン大学代表に選出され、ここでも投手としては異例の主将を務めた。主将としては、選考合宿の段階から、宿泊施設の各部屋を回って参加者約50人全員と早くからコミュニケーションを取り、一体感の醸成に務めた。
 投げては第2戦と第5戦の先発を任され、計11回3分23を投げ4安打無失点19奪三振という文句なしの内容で、最高殊勲選手賞に輝いた。
 この活躍と献身に侍ジャパン大学代表の横井人輝監督は「柳が我々の想定よりも早く、チームを“戦う集団”にしてくれたことがとても大きかった。優勝の要因は柳を主将にしたことですね」と手放しで称賛した。

 プロでの目標は「勝てる投手、チームを勝たせることのできる投手になることです」ときっぱり話す。そして今は、大学4年間で未だなし得ていない日本一を目指し奮闘を続ける日々。10月15日の早稲田大戦では12回20奪三振を奪うなど、日に日に高まる注目度の中でも結果を残し続ける強さは、プロの世界でも大きな存在感を放つこととなりそうだ。

文・写真:高木遊

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