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高校野球

人口2万7000人の北海道幕別町が生んだ剛腕。古谷 優人(江陵高)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

古谷 優人 ふるや・ゆうと
江陵高
投手・左投左打・176センチ・75キロ・1999年2月19日生(17歳)

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ロッテのベテラン技巧派左腕・古谷拓哉投手とは祖父同士が兄弟で親戚。北海道東南部・十勝地方にある人口2万7000人の北海道幕別町が生んだ左の剛腕。今夏の北北海道大会で154キロを叩き出し、一躍ドラフト上位候補に名乗りを上げた。身長176センチとそれほど大きくはないが、全身バネのような身体から躍動感あふれる投球フォームがストロングポイント。縦と横のスライダーも右打者が自分の身体に当たりそうなボール球でも思わず振ってしまうほどのキレ味だ。

全国大会での経験はこれまでないが、2年秋からストレートは140キロ後半を計測するようになり、今年5月の春季北海道大会十勝支部予選初戦にはNPB10球団のスカウトが、帯広の森球場に集結することに。0対2で帯広工に敗れたこの試合でも、最速147キロで10奪三振。「真っすぐの球筋がいい」などスカウトから驚きの声が上がっている。

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さらに6月29日の北北海道大会十勝支部予選2回戦には、11球団36人のスカウトが視察に訪れた中、最速149キロをマーク。過去に甲子園出場経験もある帯広大谷打線を4安打1失点(自責0)に抑えて勝利。代表決定戦も勝ち上がり、2年ぶりの北北海道大会出場を決めた。

その北北海道大会では「1番・投手」で出場し、次々に記録を塗り替えていく。初戦の網走向陽戦こそ制球重視で最速145キロ止まりも、2回戦の旭川西戦では自己最速を4キロ更新する154キロを2度計測。翌日行われた準々決勝の釧路工戦では、大会新の毎回20奪三振。3回から6回にかけ奪った8者連続も大会タイ記録の完封でチームを初の4強進出に導いた。準決勝の滝川西戦では毎回の12三振を奪いながら1対3と惜敗。初の甲子園出場まであと2勝届かなかったが、高校野球ファンに強烈な印象を残した。

性格も負けず嫌いでプロ向き。精神的にもタフで、相手が強いほど力を発揮し、ピンチになるほど燃え、強いボールを投げる傾向を持つ古谷。中央球界デビュー戦での球速と球筋が今から楽しみである。

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