- 社会人野球
2016.10.14 15:51
安定感抜群の守備と状況判断が光るドラフト上位候補。京田 陽太(日本大)
「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」
京田 陽太 きょうだ・ようた
青森山田高→日本大
遊撃手・右投左打・184センチ80キロ・1994年4月20日生(22歳)
「彼のところに打球が飛べば、必ずアウトにしてくれる安心感がある」
「勘ではなく、しっかり状況を見てから走っているので判断が良い」
NPB球団スカウトたちが口々に称賛するように、安定感抜群の守備と的確な状況判断が光る走塁が持ち味のドラフト上位候補だ。
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凡退時にも全力疾走を欠かすことはなく、凡フライに打ち取られても外野手が捕球する際には、二塁ベース付近まで到達。様々なプレーから野球に対する真摯な姿勢が感じとることができるのは、幼い頃からの積み重ねに尽きる。
中学時代にコーチとして指導に当たっていた白山能美ボーイズ(石川)の森直樹監督は、「朝早くに来て黙々とグラウンドを整備していました。全力疾走は昔から徹底している。野球小僧がそのまま成長した感じですね」と目を細める。
そして、今秋は打撃面でもそうした姿勢が表れ、チームの好調を呼んでいる。きっかけは侍ジャパン大学代表で、同じくドラフト上位候補に挙がる遊撃手・吉川尚輝(中京学院大)の打撃を見たことだ。今春の全日本大学野球選手権初優勝に導いた吉川とグラウンド内外で親交を深めた京田は、吉川が空振りをしていてしっかりスイングしていることに気付く。
「春までは“当てにいく”打撃をしていたのですが、しっかり振る方が相手からしたら怖い。今は、強く上から叩くイメージでスイングしています」
そして、代表活動からチームに戻ると、日大OBである片岡昭吾氏(巨人・片岡治大内野手の兄で元・JR東日本コーチ)と週2、3回のマンツーマン指導で打撃改革に着手。また、片岡氏不在日の全体練習後に打撃練習を行うなどして振り込みを重ねてきた。
このことが、チームに好影響をもたらしていると話すのは、1年春から京田を起用し続ける仲村恒一監督だ。
「(打者陣が好調なのは)京田の影響でしょう。これまでも全体練習後に守備練習をしていた京田ですが、今はそれが終わったあとに打撃練習もしている。この姿を見たチームメートは、“京田があそこまでするなら俺も”となりますよね」
入学後すぐにレギュラーを掴むも3年春までは、脚光を浴びづらい2部リーグで5季を過ごした。それだけに大学生活最後となる今秋に優勝したいという京田の思いは人一倍強い。周囲の高い評価に驕ることなく野球小僧の気持ちのままで成長し続けた京田は、「三拍子揃った大型内野手」との看板を堂々と背負い、ドラフト指名を待つ。
文・写真:高木遊
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