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高校野球

雪山の好投で早実4強!日本学園は秋の早実戦を糧に善戦も33年ぶりの4強ならず【高校野球】

★秋のコールド負けから成長

第99回全国高校野球選手権西東京大会準々決勝

早稲田実5-1日本学園(7月25日・明治神宮野球場)

春までは捕手を務めていた雪山がエースらしい投球で4強に導いた


終盤まで粘り見せ場を作った日本学園だったが、要所で早稲田実との力の差が出て、1984年以来の準決勝進出はならなかった(1981年には準優勝)。

初回の1死一、二塁の場面で併殺かと思われた打球を山口将人二塁手が後逸し2点の先制を許したが、後続の打者をエース右腕・小橋川千寛投手(3年)が抑えて2点で凌ぐ。


秋季東京大会1回戦で早稲田実と対戦した際には、本来の力がまったく発揮できずに1対10で7回コールド負けを喫した。

だが、「秋の良い経験を糧に地味で厳しい練習ができるようになっていきました」と高橋裕輔監督が語るように、選手たちにはこの1年で粘り強さが生まれていた。春には東京大会4回戦に進出しシード権を獲得。夏も接戦を勝ち抜いて33年ぶりの8強進出を決めた。

3回には宮川大輝内野手(3年)のタイムリーで1点を返すが、その裏には早稲田実の野田優人内野手(2年)に2点タイムリーを浴びた後も、130km/h台中盤から後半のストレートを武器に小橋川が粘りの投球を6回まで続け、最後まで緊張感の続く試合を演出した。

監督就任後初の夏を終えた高橋監督は「3年生を中心に一つひとつのことを丁寧にやってきて目標の準々決勝まで来ることができました。こうしたことを続けて、さらにその先の目標を近づけていきたいです」と3年生が残してくれた財産の継承を誓った。

古豪復活の足がかりを作った日本学園の選手たち


★早稲田実・雪山幹太投手(2年)※9回6安打1失点で完投勝利

「ピンチの場面はありましたが、狙ったところに投げることができました。下位から得点を穫られたことは反省したいです。ここまで来たら甲子園しかないので一戦必勝で戦いたいです


★早稲田実・清宮幸太郎主将(3年)※3番・一塁手で出場し2打数1安打2四球1得点

「(日本学園は)秋にはコールド勝ちしていたチームなんですけど、冬を越えて、打ち崩したり守り抜いたりするのが難しいチームになっていました。1試合1試合が本当に重くて、なかなか勝ち抜くのもきついので、どんな場面でもどんな展開でも、自分たちの野球をできればなと思います」


今日の清宮は第3打席に左中間を破る二塁打を放つも、高校通算本塁打記録にならぶ107号本塁打は次戦に持ち越しとなった


日本学園 001000000=1
早稲田実 20200001X=5
【日】●小橋川、中島—高木
【早】◯雪山—野村

文・写真=高木遊