BASEBALL GATE

社会人野球

【10月31日開幕】田中正義vs佐々木千隼の直接対決などドラフト指名7選手出場!大激戦必至の横浜市長杯プレビュー

 今年で12回目を数え、大学野球ファンの中では「全国大会以上の激戦」とも謳われる横浜市長杯争奪関東地区大学野球選手権大会(10月31日開幕/横浜スタジアム)が、今年はプロ野球ファンにとっても大きな注目を集める大会となっている。
 その理由は、今秋のドラフト1位指名選手4選手を含むドラフト指名7選手が大学野球生活最後の全国大会出場を懸けた熱い闘いが繰り広げられるからだ。

試合日程
①10月31日:白鷗大学(関甲新学生野球連盟2位) vs 横浜商科大学(神奈川大学野球連盟2位)
②10月31日:国際武道大学(千葉県大学野球連盟2位) vs 東海大学(首都大学野球連盟2位)
③10月31日:桜美林大学(首都大学野球連盟1位) vs 創価大学(東京新大学野球連盟1位)
④11月1日:神奈川大学(神奈川大学野球連盟1位) vs 共栄大学(東京新大学野球連盟1位)
⑤11月1日:中央学院大学(千葉県大学野球連盟1位) vs ①の勝者
⑥11月1日:②の勝者 vs 上武大学(関甲新学生野球連盟1位)
⑦11月2日:⑤の勝者 vs ③の勝者
⑧11月2日:④の勝者 vs ⑥の勝者
⑨11月3日:⑦の勝者 vs ⑧の勝者

●出場が予想される今秋ドラフト指名選手
白鴎大:大山悠輔内野手(阪神1位)、中塚駿太投手(西武2位)
桜美林大:佐々木千隼投手(ロッテ1位)
創価大:田中正義投手(ソフトバンク1位)、池田隆英投手(楽天2位)
神奈川大:浜口遥大投手(DeNA1位)
東海大:丸山泰資投手(中日6位)

★初日からドラフトの目玉対決

 最も注目なのが今秋のドラフト会議で1位指名に5球団が競合した田中を擁する創価大と、田中と柳裕也(明治大)の抽選に敗れた全5球団が外れ1位指名に競合した佐々木を擁する桜美林大が対決する大会初日の第3試合だ。

 田中は最速156km/hのストレートを制球良く投げ込み、昨秋の同大会では準決勝の上武大戦で打者16人から11三振を奪う快投を見せた。今年は春に右肩を痛めた影響もあり、昨年ほどの球の威力は戻っていないが、安定した投球を見せ、秋季リーグでは4勝を挙げて王座奪還に成功。チームの主将としても、並々ならぬ闘志でマウンドに上がってくるだろう。

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 一方の佐々木は、最速153km/hのストレートにシンカーなどの変化球を織り交ぜ、春季リーグでは4勝4完封3敗(すべて0-1での敗戦)という圧巻の成績を残した。さらに、秋季リーグでは盟主・東海大に連勝を飾るなど5勝3完封を挙げる活躍で創部8年目の桜美林大を初めての首都大学野球リーグ制覇に導いた。

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 両校とも打線は強力とは言えないため、守備のミスが命取りとなるような競った試合展開が予想される。また、創価大は楽天2位指名で最速151km/hのストレートと多彩な変化球を操る右腕・池田もいるだけに投手起用にも注目が集まる。

★阪神ドラ1・大山、DeNAドラ1・浜口に全国強豪の壁

 阪神が一本釣りに成功した右打ちのスラッガー・大山を擁する白鴎大は関甲新学生野球連盟2位での出場のため、開幕戦となる1回戦から登場。明治神宮大会出場を勝ち取るためには、エースの左澤優投手(4年)ら力のある左腕5投手を擁する横浜商科大、今春の全日本大学野球選手権準優勝の中央学院大、創価大vs桜美林大の勝者を倒さなければならず、まさに茨の道。西武2位指名で現アマチュア球界最速の157km/h右腕・中塚の奮闘にもチームの命運は託されている。

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 DeNAが柳と佐々木の抽選に敗れた後に1位指名した左腕・浜口は大舞台にほど燃えるタイプ。最速151kmのストレートとブレーキの利いたチェンジアップを武器に、2年春に全国準優勝、3年春に全国4強に導くなどトーナメントでの勝負強さや連投も辞さないタフネスぶりが光る。初戦は、際立った選手はいないながらも全員野球で食い下がる共栄大と対戦する。

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 そこを勝ち抜くと、準決勝で(国際武道大vs東海大の勝者)vs 3季連続全国4強の上武大の勝者と対戦。3校とも選手層が厚いため、どこが勝ち上がってきても、総力戦で対浜口に執念を燃やしてくるだろう。

 冬の近づきを感じる肌寒さの中で行われる、逸材たちの「大学野球生活最後の戦い」にぜひ注目していただきたい。

※『BASEBALL GATE』は1回戦から明治神宮大会出場を懸けた準決勝までの全試合をレポート予定です。

文・写真:高木遊