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社会人野球

角度を生かした投球光る大型右腕・宮原大樹(宇治山田商)「勝負の冬」【2017年ドラフト候補】

 伝説の投手・沢村栄治氏を生んだ三重県伊勢市。古くから野球の盛んなこの地域で2017年のドラフト候補に挙がるのが、宇治山田商の宮原大樹投手(2年)だ。「山商」の愛称で親しまれる伝統校のエースとして、甲子園出場とプロ入りを目指す勝負の1年に向け、決意を聞いた。

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宮原大樹(みやはら・だいき)
出身地:三重県伊勢市
球歴:伊勢リトル(硬式)→五十鈴中(軟式)→宇治山田商2年
身長・体重(ポジション):187cm・78kg(投手)
最高球速:143km/h
球種:ストレート、スライダー、カーブ、スプリット

★春に掴んだ手応え

 語り口は穏やかでも強気な一面を覗かせたのが、県内で同じくドラフト候補として注目を浴びる2年生右腕の岡林飛翔投手(菰野)と渡辺啓五投手(いなべ総合)へのライバル心を聞いた時だ。少し考えてから「2人に負けているつもりはないです」と言い切った。
 今春から就任した村田治樹監督は、そんな宮原の人間性について「人懐っこくて明るい。物怖じしない性格ですね」と語る。一方でマウンド上の宮原に対しては「いろいろ気にしすぎるところがあります。気が抜けている時の方が良い球だったりしますね」と課題を挙げる。
 1つの指針となりそうなのが今春の三重大会だ。初戦となった2回戦の松阪戦で10三振を奪いながらも、試合前半に6点を失うなど9四死球7失点と荒れた投球で11対7の辛勝。だが、この試合で「踏ん張りどころを越えないと、彼は“投手”になりきれない」として最後まで続投させた村田監督の親心に応えるように、翌日の3回戦は宮原が先発を志願。秋の県準優勝校・三重高を1失点完投し、「力が抜けて良い球が投げられました」と理想に近い投球ができた。

★冬を越えてひと皮むけるか

 夏前に右肩の腱板を痛めて以降は本調子と行かず、菰野に今夏(1回戦:0-7)、今秋(2回戦:4-7)と連敗し甲子園出場の道を絶たれたが、右肩の状態は戻りつつある。この日の練習試合では、角度を生かしたストレートに加え、縦に変化するスライダー・カーブ・フォークを織り交ぜた投球で好素材の片鱗をうかがわせた。また、長身ながらバント処理なども器用にこなしているのが印象的だった。
 甲子園出場とプロ入りに向け、勝負の1年となる2017年に向け、「冬場に走り込みとシャドウピッチングは毎日したいです。不安定なフォームを固めてコントロールを安定させたいです」と決意は強い。
 指導する村田監督も「注目されることで、課題を持って練習に取り組むようになったり、人にもより興味を持つようになるなど、良い方向に向かっています」と成長への手応えを語る。
 恵まれた体格を生かし、どこまで成長していけるのか。その大きな伸びシロを活かせるのかどうかは、この冬に懸かっていると言っても過言ではない。

宮原大樹投手と指導する村田治樹監督

宮原大樹投手と指導する村田治樹監督

文・写真:高木遊