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プロ野球

中田、球宴1号より空振りの“おおっ”「あれが一番うれしかった」

 ◇マイナビオールスターゲーム 全パ6―2全セ(2017年7月14日 ナゴヤD)

5回無死、全パ・中田が空振り三振に倒れる

 3点リードの9回。勝負はほぼ決していたが、先頭で打席に入った全パの中田(日本ハム)は集中していた。3ボールからの4球目。山崎康の144キロ直球をしばき上げた打球はバックスクリーンに消えた。

 「四球が一番、(投手が)かわいそうだからどんな球でも振ろうと思っていた。ファンに喜んでもらえてうれしかった」。その言葉通り、球宴で四球は一つもない。7年連続7度目の出場。通算16試合、48打席目で待望の初アーチを描いた。

 プロ10年目の今季は開幕から本調子とはほど遠かった。試行錯誤を重ね、6月下旬から打撃フォームを大幅に改造。以前は両膝を曲げてどっしり構えていたが、膝を曲げず突っ立つような構えに変えた。「リラックスするため」と上半身にも全く力を入れず、バットをゆらゆらと揺らしながらタイミングを計るようになった。

 7月は44打数6安打、打率・136。結果こそ出なかったが、かすかな手応えを信じ、新しいスタイルをやり通した。球宴初アーチは、ナゴヤドームの弾道測定装置「トラックマン」で飛距離132メートル、速度は166キロを計測。中田の努力と工夫、そして継続してやり通す根気強さが実を結んだ瞬間だった。

 中田は5回の空振り三振を振り返り、うれしそうに言った。「三振でも沸いてくれた。スイングスピードが速い選手がいる中で、(客席が)“おぉっ”となった。本塁打より、あれが一番うれしかった」。存在感を放ったのは、ど派手な金髪ではない。バットでも強烈なインパクトを残した。(柳原 直之)