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プロ野球

元楽天・加藤正志 クラブ→企業へ異例レンタル 都市対抗で「結果出す」

 第88回都市対抗野球(スポニチ後援)が14日、東京ドームで開幕する。都市対抗には他チームから選手をレンタルできる、独特の「補強選手制度」がある。東京のクラブチーム「REVENGE99」に所属する元楽天の加藤正志投手(27)が今大会、JR東日本に補強された。クラブから企業チームへの補強は異例。元プロとして檜(ひのき)舞台に立つ心境を聞いた。 (松井 いつき)

加圧パーソナルトレーナーとして指導する加藤

 1日、JR東日本に合流して初日の練習を終えた加藤は「全身、筋肉痛ですね」と苦笑いした。都市対抗出場は3年ぶりだ。「補強してもらった以上、結果を残したい」。言葉に力がこもった。

 14年大会。加藤はJR東日本東北の一員として大阪ガスとの初戦に登板した。プロのスカウトも見守る舞台で6回1/3を好投。同年ドラフトで楽天から指名を受けた。

 低いリリースポイントの下手投げ。1年目の15年は1軍で9試合に起用された。昨季は開幕直後に1試合に投げただけ。シーズン後に戦力外通告された。11月、12球団合同トライアウトに参加。プロの他球団から声は掛からなかったが、思わぬオファーがあった。

 加藤にほれ込んだのがREVENGE99の浅古純一監督だ。「僕の中では“ドラフト1位”だと思った。素質もあったし、人柄も良かった。すぐに電話したんです」。猛アタックを受け、加藤は入部を決断。結婚したばかりの有紀子夫人(27)も「やりたいようにやればいい。私はついていく」と背中を押してくれたという。

 クラブチーム。浅古監督いわく「仕事100%、野球100%の世界」だ。プロや企業チームと違い、野球をしながら、生活の糧は別に得なければならない。加藤は1月からREVENGE99のサポート企業、ジェイファムコーポレーションが運営する女性専用ジム「加圧ダイエットラボ」で加圧パーソナルトレーナーを務める。午前9時30分から午後6時30分まで勤務した後、同監督が経営する自動車整備工場の2階室内練習場で練習を積む。

 東京2次予選は企業チームと接戦を展開。加藤は先発、救援とフル回転した。希少なサブマリン。JR東日本の堀井哲也監督は「変則だし、元々(同社の)東北にいたから水にも合うと思った」と補強リストに入れた。

 「補強選手のプレッシャーはある。結果を出さないと」。加藤の言葉に決意と重圧から来る心地よい刺激が交じる。16日、伏木海陸運送戦が初戦。11年以来6年ぶりの大会制覇へ、元プロとクラブチームのプライドを持って貢献する。

 ◆加藤 正志(かとう・まさし)1989年(平元)9月7日、神奈川県生まれの27歳。東京実で下手投げを始め、2年秋からエース。鶴見大では神奈川大学リーグで通算12勝(4年時に10勝)をマークした。14年ドラフト6位で楽天入団。在籍2年間で0勝0敗、防御率5.65。1メートル73、71キロ。右投げ右打ち。

 ▽補強選手制度 「都市を代表するチームの全国大会」という色合いを持つ都市対抗独自システム。出場チームが同じ地区の予選で敗退したチームから大会限定で選手を補強できる。2次予選終了後に選出が行われ、1チームにつき最大3人まで補強可能。複数代表の地区は第1代表から選手選抜が行われる。