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プロ野球

楽天・岸 血染め零封 亡き西武・森コーチから受け継いだ背番11魂

 ◇パ・リーグ 楽天2―0ソフトバンク(2017年7月12日 ヤフオクドーム)

<ソ・楽>右手親指から出血しながら力投する岸

 堂々の前半戦フィニッシュだ。首位での折り返しを決めていた楽天は12日、2位・ソフトバンクに2連勝を飾り、1・5ゲーム差に突き放した。岸孝之投手(32)が右手親指から出血しながら6回まで投げ、2安打無失点、9奪三振の快投を演じた。

 まだ投げたかった。岸は7回も一度はマウンドに上がった。投球練習中に与田投手コーチに諭され、ようやくベンチに下がった。6回109球。梨田監督は「岸はチェンジアップでマメができる。ズボンを見たら血だらけだった。大丈夫のように見えたが、6回だったので」と説明した。

 「気づいたら(出血していた)。何イニング目かは分からない」

 岸は言った。それほどの熱投。2日のソフトバンク戦は8回途中4失点で負け投手になった。中9日のマウンドで「球数は増えたが、いけるところまでいこうと思った」と腕を振った。3回1死での甲斐から5者連続三振を奪った。

 ペゲーロの特大2ランの援護をもらった直後、5回は2死から松田と上林に連打を許し、一、三塁とピンチを招いた。ここでギアを上げると代打・長谷川勇はフルカウントから低めに145キロの直球を配し、この日9個目の三振に仕留めた。

 背番号11にかけて「0」に抑え続けた。先月28日に急逝した西武の森慎二投手コーチから受け継いだ番号だ。

 「西武で慎二さんの次に11番をつけた。この番号に恥じないように頑張ってきた」

 15年から2年間は投手コーチとエースの立場となり、よき相談相手となった。縫い目に指をかけない独特のフォークも教わった。自身の右手や投げ方に合わず実戦での使用は断念したが、背番号11の魂は継承した。「大事な試合というのは分かっていた」。2位・ソフトバンクとの直接対決連勝に貢献し、岸自身は13年からヤフオクドームで6連勝だ。

 開幕投手に指名されながらインフルエンザで回避。4月後半は腰痛にも苦しんだ。「いろいろあったから疲れを取る意味で間隔を空けた」という梨田監督の采配がズバリ的中。今季最多の貯金26でシーズンを折り返した。 (君島 圭介)