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HOT GAMES ギャオス内藤が斬る『7月11日 福岡ソフトバンク 対 東北楽天』

今日の試合で前半戦の全日程が終了する。セ・リーグでは首位・広島が独走モードに入っているが、それを追う2位争いが過熱中だ。一方のパ・リーグは、首位争いがばちばちの激戦モード。本日行われる前半戦最終戦も、ソフトバンク、東北楽天の直接対決が行われる。昨夜は激戦の末に東北楽天が勝利し、前半戦首位の座を確定させた。この両チームによる優勝争いの行方はどうなるか。勝敗のポイントをギャオス内藤氏に語ってもらった。

——前半戦も今日(12日)をもって終了です。

「あっという間だった気もしますけど、今年もいろいろありましたね。試合数的には半分以上が終わっているわけですけど、今年は開幕直後の状況からこの中盤まで、各チームの状況が変わらずにきたなというのが珍しい気もします。開幕から走って来たチームがそのまま上位争いを続けていますよね。だいたい、交流戦で大きく調子を落とすチームがいたり逆に上がってくるチームがいたりするんですが、大きくは変わっていないなあと」

——確かに、パ・リーグは楽天、セ・リーグは広島と、開幕直後の勢いそのままに戦いを繰り広げています。

「もちろん、それぞれのチームのファンからすれば、ギリギリだったという場面もあったと思うんですけど、結果的にこの位置にいまもいるということは順調に来られている証拠ですからね。巨人やロッテ、それにヤクルトが大型連敗したりという見ていて辛い状況もありますけれど、上位チームは順調ですよね」

——さて、そんな中で、昨日は楽天とソフトバンクによる首位決戦が行われました。

「目が離せない展開でしたね。序盤、則本投手が失点を重ねてしまったところで楽天は厳しいかなという感想を正直持ちましたけれど、見事でした。あの試合をひっくり返せるのは、容易ではないですから」

——ギャオスさんは先日の楽天戦、解説でKoboパーク宮城に行かれていましたが、チームの雰囲気はどうでしたか?

「この時期だからというのもあるのでしょうけど、ソフトバンクとゲーム差がほとんどないような状況でも、良い意味で“普段通り”でした。良い雰囲気でプレーができているなと感じましたね。すごくいい練習ができているなというのも同時に感じました。このところ好調な銀次選手が打撃練習から、実戦に近い雰囲気、状態でバットを振っていたのが印象的だったんです。今年は総じて打線が好調ですが、このあたりのチームとしての意識というのがいい方向に働いているのではないかなと思います」

——楽天は昨日の勝利で、首位ターンが決定です。

「そうですね。まだ半分近くありますから、いま順位を意識することはないでしょうけど、モチベーションには間違いなく繋がるはずです。残念ながら茂木選手が離脱してしまい、オールスター辞退ということで後半戦すぐには出場できませんけれど、それもまた起爆剤にするようなつもりでね。ポジティブに戦っていけば楽天としてはいいなと思います」

——追うホークスも快調です。

「誰もがみんな感じているかと思いますが、本当に強いチームです。この状況にいながら若い戦力も起用しながら戦っていますし、しかも結果も残しています。客観的にみたら、勝つのはどのチームでも簡単ではないですよ。楽天側に、勝機があるとすれば、昨日のような直接対決でしっかりと白星を重ねること。今日も則本投手に続いて岸投手を送り込むわけですから、こういう総力戦に近い試合でいかに勝つかというのが大事になってくるでしょうね」

——ズバリ、軍配はどちらにあがるでしょうか?

「難しいですね(笑)。選手個々の数字やポテンシャルをみたら、2位ではありますがソフトバンクが有利だとは思います。ただ昨日のような試合をできれば楽天にも十分に可能性はある。特に昨日も1発を放ったペゲーロ選手や、タイムリーを放ったウィーラー選手の活躍がカギを握ると思います」

——ありがとうございました。


ギャオス内藤(ぎゃおす・ないとう)
球歴:豊川高 ヤクルト ロッテ 中日
現役時代はパワフルな投球でファンを魅了。ヤクルトでは2年連続で開幕投手を務めるなど、エースピッチャーとして活躍した。引退後は、野球解説者として活動の場を広げている。2013年から2014年まではBCリーグ・新潟の監督も務めた。愛知県出身。右投げ右打ち。投手。本名は内藤尚行(ないとう・なおゆき)。