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【キヨシスタイル】楽天・福山、DeNA宮崎 指導者で劇的再生のお手本

 凄いな、サブちゃん。今季35試合に登板して、防御率いまだに0.00。失点は1あるけど、自責点0を続けてるんだ。楽天の福山博之。人との出会いで人生は変わるっていうけど、最高の見本だね。

楽天の福山

 サブちゃんは私がDeNAの監督になる1年前の2011年にベイスターズ入団。北島三郎さん似の宴会部長的な存在で、速くて勢いのある球を投げていた。

 でも、残念ながら制球が定まらない。四球で自滅するタイプだった。そのオフ、球団から打診された野手転向を拒否。投手にこだわって戦力外になり、楽天に拾われた。当時の監督で現球団副会長、星野仙一さんという大きな存在に拾ってもらった喜びから「覚醒」が始まったんだ。

 投手指導に関しちゃ天下一品の仙さん。最初は毎日「叩きつけろ」と言い続けたらしい。ストライクゾーンの四隅に投げなきゃいけないと思って腕が縮こまっていたサブちゃんに、腕をしっかり振って低めに投げる感覚を植え付けたんだ。

 低めへ投げる自信さえつけば、一度は投手失格のらく印を押された身だ。開き直って孤独なマウンドで自分に勝てる投手に変身。一日でも長く0.00を続けてほしいね。

 指導者によってこんなに…という選手は野手にもいる。10日現在の打率.346で、セ・リーグ首位打者を突っ走っているDeNAの宮崎敏郎だ。

 私が監督だった13年に入団。打撃には非凡なものがあった。1年目の6月2日。中村紀洋の調子がいまひとつだったので、思い切って日本ハム戦(旭川)で6番サードに入れた。するとプロ初本塁打を含む5打数3安打3打点。最高の先発デビューを飾ってくれたんだ。

 でも、守備の不安を考えるとスタメンで使い続ける勇気は私にはなかった。今季開幕前から「筒香の後ろは宮崎」と5番固定を明言していたラミちゃん監督。守備のマイナスは打撃で十分カバーできると判断したんだよね。たいしたもんだ。恐れ入りました。

 私も長い2軍暮らしの中から長嶋茂雄監督に引き上げてもらった人間。サブちゃんや宮崎の活躍が自分のことのようにうれしい。今もがき苦しんでいる選手は彼らを目標にしてほしいな。頑張っていれば、きっといい出会いがあるから。 (スポニチ本紙評論家・中畑 清)